エネルギー

脱炭素化はビジネスチャンスではなくコストである



言論アリーナでロンボルグも有馬さんも強調したのは、地球温暖化対策には莫大なコストがかかるということだった。温暖化を止めるという理想に反対する人はいないが、そのコストがどれぐらいかかるのか知っている人は少ない。

おまけに脱炭素化のコストは、ウクライナ戦争で激増した。再エネをバックアップする天然ガスの価格が上がったからだ。ロンボルグの住んでいるデンマークは再エネ100%で電力を供給しているが、図のように電気代は世界一高く、日本の2倍である。

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費用対効果はどうだろうか。IEAの提唱した「ネットゼロ」のメリットは毎年4.2兆ドルだが、そのコストは毎年25.5兆ドル。コストはメリットの6倍である。温暖化対策のコストは、多くの政治家や国民が考えているよりはるかに大きく、そのメリットは先進国ではほとんどない。

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「ネットゼロ」の便益と費用

日経新聞は「カーボンゼロ」でもうかると思っているが、もし脱炭素化がビジネスチャンスだったら、各国が交渉してCO₂を削減する必要はない。ほっておけば、みんな競って脱炭素化するだろう。脱炭素化はコストであり、課税なのだ。

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朝日新聞の理解できない「容量市場」の経済的意味

電事連が、4月14日の朝日新聞の記事に抗議している。これは「地域新電力が容量市場に反対している」という当たり前の話で、これを1面トップに持ってきた朝日新聞は、デスクも含めて容量市場を理解していない。それはこの図を見ればわかる。

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朝日新聞より

ここには「容量市場の負担のしくみ」と書いてあり、そのメリットは何も書いてない。「不公平だ」と答えた新電力が77%というのは当たり前だ。この制度は「転売屋」の新電力に発電コストを負担させることが目的だからである。それにコメントしている高橋洋氏は自然エネルギー財団の特任研究員であり、いま話題の再エネTFのロビイストである。

再エネは昼間は太陽光で発電できるが、夜は売る電力がない。本来は新電力が24時間発電できるインフラをもつべきだが、民主党政権が発電設備をもたない転売屋の火力へのただ乗りを許したため、大手電力は固定費を回収できなくなった。

JEPXのようなスポット市場はフローのkWhだけを取引するので、限界費用の安い再エネが競り勝ち、採算のとれなくなった火力は廃止される。これを防ぐためストックのkWを取引して、広域機関が4年後の火力の設備を予約するのが容量市場である。

理論的には、スポット市場だけのenergy only market(EOM)でも、大手電力が再エネの発電できない夜間に高い価格をつけるスパイクで固定費を回収できるはずだ。それを理由に再エネTFは容量市場に反対したが、現実にはテキサスのようにEOMでは大停電が起こった。それはなぜだろうか。

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日本最大のメガソーラーは建築確認なしで買取価格40円の無法地帯

長崎県の宇久島で計画されている日本最大のメガソーラーが、5月にも着工する。出力は48万kWで、総工費は2000億円。パネル数は152万枚で280ヘクタール。東京ディズニーランドの5倍以上の巨大な建築物が、県の建築確認なしで建設される。民主党政権が太陽光発電を建築基準法の適用除外にしたからだ。


宇久島メガソーラーのイメージ(同社ホームページより)

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河野太郎氏の「脱工業化社会論」の錯覚

再エネタスクフォースをめぐる問題の根底には、河野太郎氏の急進的な再エネ推進がある。彼はもとは反原発派ではなく、その出発点は核燃料サイクルをめぐる電力会社の自民党支配に疑問をもったことだった。2011年5月のBLOGOSチャンネルで私と対談した貴重な記録が残っていた。



池田:今は太陽光発電のコストは、1kWhあたり40円。それが、石炭火力だと6円です。本当に再生可能エネルギーが、石炭に匹敵するようなものになるのか。ならない場合に、補助金をいつまで続けるのか。今の仕組みだと電気料金に上乗せされてしまいますよね、それは結局は、日本の産業の国際競争力に跳ね返ってしまうのでは。

河野:日本はまだまだ重厚長大型の産業が残っている。欧米はそこからソフトウェアに変わったり、もう少し知価革命が進んできている。重厚長大でやってきた部分は、中国やインドの追い上げを考えると、どこかの段階でそれを受け渡して、新しいところに出て行かなきゃいけない。

そうすると、産業の中でエネルギーコストの部分も段々小さくなる方向に行くだろうと思います。日本経済が発展するためには、小さくなる方向に動いていかなきゃいけない。 再生可能エネルギーを可能な限り伸ばしていくと、それが伸びていけば新しい日本の産業にもなって輸出できるわけです。

河野氏は日本が脱工業化してハイテク産業に特化すればエネルギー消費が減り、電気代が高くなってもいいと思っていたわけだ。彼は日本には珍しい「大きなビジョン」を語る政治家であり、この考えはその後も変わっていないだろう。だがその後、世界の現実は大きく変わった。ハイテク産業こそ最大の電力集約産業になったのだ。

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再エネTFが反対する「容量市場」って何?

4月から容量市場がスタートしました。といっても一般の消費者には何のことかわからないと思いますが、いま話題の再エネタスクフォースは、これにしつこく反対してきました。それはなぜでしょうか。ジェミニにきいてみました。

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再エネが原子力より安いなら賦課金はいらない(アーカイブ記事)

2011年5月24日の記事の再掲です。

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参議院行政監視委員会で、孫正義氏のプレゼンテーションが行なわれた。他の参考人のように原子力の専門家でも地震の専門家でもない彼が国会で意見を述べるのは奇妙だが、その内容には去年の「光の道」と同じく論理的な穴がある。

去年、私は孫氏とUstreamで議論した。彼は「アクセス回線会社」をつくって銅線をすべて強制的に光ファイバーに取り替えれば通信料金が下がると主張した。

私は「その会社の株主は誰で、経営者は誰なのか。あなたの計算が間違っていたら、誰が赤字を補填するのか」と質問したが、彼はその質問に答えないまま延々と自説を展開した。その結果、総務省のタスクフォースでもソフトバンク案に賛成する委員は一人もいなかった。続きを読む

自然エネ財団が民主党政権をだました史上最大の「再エネ詐欺」

国民民主党が、自然エネルギー財団の疑惑を追及している。これは2011年8月にソフトバンクの孫正義社長が10億円を出資して設立された財団である。



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再エネTFは法治国家を破壊する河野太郎氏の「突撃隊」

国家電網のロゴ問題をきっかけに、再エネTF(再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース)が注目を浴びている。これは河野太郎規制改革担当相が4人の「私兵」を集めたアドホックグループで、法的根拠はない。



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内閣府の再エネタスクフォースは利益誘導を繰り返す反社集団

自然エネルギー財団(大林ミカ他)は昨年10月11日に、私の次の3つのX投稿が名誉毀損だとして東京地裁に損害賠償請求訴訟を起こした。


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なぜ自然エネ財団の大林ミカ氏は中国の国家電網の資料を使ったのか

きのうから話題の再エネタスクフォースの電子透かし(中国の国家電網公司のロゴ)だが、まず事実関係を確認しておこう。

次の動画でもわかるように「国家電網公司」のロゴは、パワーポイントのスライドマスターの文字(枠の中)とは別の下地に書かれており、変更できない。白地に白で書かれているのでAcrobatで見てもわからないが、Chromeでは見える。

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