インフレで急速な円安が進む中で、高市政権は20兆円を超える補正予算を組もうとしている。これは2022年の「トラス・ショック」のような悲劇をもたらすおそれが強いが、リフレ派エコノミストが「財政赤字を増やせばマンデル=フレミング・モデルで円高になる」と主張して物笑いの種になっている。
日銀の黒田前総裁や浜田宏一氏も「マンデル=フレミング理論によれば、量的緩和で景気がよくなる」と言っていた。これは固定為替相場の時代にできた「どマクロ」理論で、簡単にいうと開放経済でIS-LMモデルを考えるものだ。

国際資本移動が完全に自由で、実質金利が世界全体でiwに決まっているとすると、変動相場制では、財政支出を増やしてIS曲線を右に動かしてIS1にしても、LM曲線との交点で決まる自国の金利iがiWより高くなるので資本流入が起こり、為替レートが上がって輸出が減る。この変化は実質金利が均衡水準iwに戻るまで続くのでIS曲線は元に戻り、財政政策は無効とされた。
片岡氏はこれを「財政政策で円高が起こる」と誤解しているが、それは実質金利が世界全体で同一という前提の話である。これによると日米金利差が縮小するとドルが下がるはずだが、現実には次の図のように日米金利差とドル円は逆相関になっている。マンデル=フレミングは成り立たないのだ。

続きは11月24日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
日銀の黒田前総裁や浜田宏一氏も「マンデル=フレミング理論によれば、量的緩和で景気がよくなる」と言っていた。これは固定為替相場の時代にできた「どマクロ」理論で、簡単にいうと開放経済でIS-LMモデルを考えるものだ。

国際資本移動が完全に自由で、実質金利が世界全体でiwに決まっているとすると、変動相場制では、財政支出を増やしてIS曲線を右に動かしてIS1にしても、LM曲線との交点で決まる自国の金利iがiWより高くなるので資本流入が起こり、為替レートが上がって輸出が減る。この変化は実質金利が均衡水準iwに戻るまで続くのでIS曲線は元に戻り、財政政策は無効とされた。
片岡氏はこれを「財政政策で円高が起こる」と誤解しているが、それは実質金利が世界全体で同一という前提の話である。これによると日米金利差が縮小するとドルが下がるはずだが、現実には次の図のように日米金利差とドル円は逆相関になっている。マンデル=フレミングは成り立たないのだ。

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