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日本の「小さな政府」はなぜ挫折したのか



戦後の保守本流は「小さな政府」だった。資源がなく貧しかった日本の税収は少なく、国債は建設国債しか発行できなかった。岸信介は戦時国債の経験から赤字国債を許さず、赤字国債(特例公債)が初めて発行されたのは1965年だった。その後も赤字国債は毎年、国会で特別法を可決しないと発行できず、歳出をいかに削減するかが政権の最重要事項だった。

自民党の右派は均衡財政主義で、行政改革が政権のコアだった。中曽根政権の国鉄・電電民営化のあと、小沢一郎氏が首相官邸への機能集中や小選挙区制などの改革を実施し、英米型の新自由主義を継承する予定だった。彼の『日本改造計画』の序文には、グランドキャニオンの体験がこう書かれていた。
国立公園の観光地で、多くの人々が訪れるにもかかわらず、転落を防ぐ柵が見当たらないのである。もし日本の観光地がこのような状態で、事故が起きたとしたら、どうなるだろうか。おそらく、その観光地の管理責任者は、新聞やテレビで轟々たる非難を浴びるだろう。[中略]これに対して、アメリカでは、自分の安全は自分の責任で守っているわけである。

鮮烈な「強い個人」による小さな政府の宣言だった。私を含めて多くの人が「これで日本は変わる」と期待したのだが、それは幻に終わった。その一つの原因は小沢氏の独善的な政治手法にあったが、もっと根本的な問題は日本人の国家意識にあると思う。続きを読む

アゴラ経済塾「小さな政府と自由主義」

高福祉・高負担の大きな政府か、低福祉・低負担の小さな政府かという問題は、戦後の経済政策の争点でした。1970年代まではケインズ以来の大きな政府を志向するリベラル派が主流でしたが、財政赤字とインフレが世界経済の混乱をまねき、サッチャー・レーガン以来の小さな政府が多くの国民の支持を受けました。

日本でも中曽根政権の国鉄・電電民営化や小泉政権の郵政民営化で「新自由主義」の改革がおこなわれましたが、2000年代からゼロ金利とデフレが続き、財政危機が遠のきました。安倍政権は日銀に国債を買わせ、消費税の増税をたびたび延期して大きな政府を目ざし、小さな政府の時代は終わったようにみえました。

しかしウクライナ戦争で状況は変わり、またインフレ・金利上昇の時代になりました。超高齢化する日本では社会保障給付費が130兆円を超え、国民負担率は45%を超えて、現役世代の負担は限度に来ています。団塊の世代が後期高齢者になる来年からは医療費が激増しますが、その負担が減る見通しはありません。

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明けましておめでとうございます

cover今年は戦後の歴史をつくってきた団塊の世代が後期高齢者になり始め、いろいろな面で老人が社会の中心になるでしょう。私も70歳になり、健康寿命がいつまであるか気になります。

今の老人は豊かです。1950年生まれの団塊の世代は、払った厚生年金保険料より1500万円多くの年金をもらい、家計金融資産2000兆円の6割を60歳以上がもっています。それに対して2000年生まれの若者は、払った保険料より2800万円も少ない年金しかもらえません。

医療や介護も同じように、若い世代ほどマイナスが大きくなります。これは少子高齢化の結果だからしょうがない、とあきらめるのは早い。後期高齢者が激増する2025年までに手を打てば、格差の拡大は防げます。次の世代に、今よりましな社会を残すことは老人の使命でしょう。

今年はアゴラ経済塾「あなたの年金・医療はどうなる」を初め、超高齢社会の問題を考えていきたいと思います。今年もよろしくお願いします。

アゴラ経済塾「あなたの年金・医療はどうなる」

社会保険料の引き上げの動きが次々に出ています。少子化対策の「支援金」として大学無償化のために健康保険料が値上げされ、医師の診療報酬も引き上げる方向です。厚生年金と健康保険の料率は30%を超え、税と合計した国民負担率は46.8%となって「五公五民」などといわれています。


国民負担率の推移(厚労省)

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秋本真利の訴訟取り下げについて

衆議院議員・秋本真利が私に対して起こした名誉毀損訴訟は、9月30日に原告が訴えをすべて取り下げ、私の勝訴が確定した。秋本が訴因としてあげたのは、昨年6月の次のようなツイートである。


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アゴラ経済塾「グローバリゼーション後の世界経済」

日本経済の「失われた30年」の原因については多くの議論がありますが、見落とされがちなのは、それが中国や旧社会主義国の世界市場への参入によるグローバリゼーションの時代だったことです。

これはそれほど古い出来事ではありません。自由貿易という意味でのグローバリゼーションはアダム・スミスの時代から始まっていますが、情報ネットワークに乗って国際資本移動が自由になり、海外直接投資できるようになったのは、1990年代以降なのです。


世界のGDPに占める先進国(G7)のシェア

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秋本真利はスラップ訴訟を取り下げて私に賠償せよ

衆議院議員、秋本真利が私に対して損害賠償請求訴訟を起こしたが、先月14日に弁護団8人全員が辞任してしまった。後任が決まらないので、訴訟が進まない。

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川口で騒いでいるクルド人は「移民」ではなく「不法滞在」

産経新聞が、今までマスコミがほとんど取り上げなかった埼玉県川口市のクルド人の暴動を1面トップで取り上げて話題になっている。

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アゴラ経済塾「インフレ時代に資産を守る」第3弾

スクリーンショット 2023-06-16 160727株価が「バブル後最高値」を更新し、インフレ率は4%を超えました。日本経済は1980年代のバブルがまたやってきたような活況を呈していますが、賃金はほとんど上がらない。円は1ドル=140円台になっていますが、貿易赤字は増えています。

この背景には、世界経済の大きな局面転換があります。2010年代の世界経済は長期停滞と呼ばれ、ゼロ金利・ゼロインフレの状況が先進国に広がり、「世界経済が日本化した」といわれました。この状況は、1930年代の世界恐慌の時代に似ています。

世界経済が大恐慌から脱却した原因は、第2次大戦による大規模なバラマキ財政でしたが、それはケインズが正しかったことを示しています。ちょっとした景気変動の調整には金融政策が有効ですが、ゼロ金利ではきかない。

2010年代のデフレとゼロ金利の悪循環から脱却するにも、コロナ対策100兆円の無謀なバラマキが必要でした。それは2020年には大きな効果を見せなかったが、2022年のウクライナ戦争の後、マネーが出てきました。

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LGBT法案って何?

このところLGBT法案をめぐって議論がにぎやかになってきました。よい子のみなさんには関係ない法律ですが、話が混乱しているので、チャットGPTに相談してみましょう。

Q. LGBTって何ですか?

LGBTは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシャル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字を取った言葉で、性的指向や性自認の多様性を表す一般的な用語です。

LGBTは、これらの4つのカテゴリーに属する人々を指すことが多いですが、しばしばLGBTQやLGBTQ+とも表記され、クィア(Queer)、インターセックス(Intersex)、アセクシャル(Asexual)などの他の性的指向や性自認を含めることがあります。

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