法/政治

小中学生にも否定された「昭和保守」にはもう守るべき価値がない

産経新聞の小中学生アンケートにはあきれたが、最大の皮肉は、産経が誘導尋問でいわせようとしたのとは逆に、子供も「選択的夫婦別姓に賛成」という答が多数派だったことだ。



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西浦博氏の「クーデター」と国家の不在

韓国の戒厳令未遂事件の関連で、コロナ騒動のとき西浦博氏の「クーデター」が話題になっている。彼の「何もしなかったら42万人死ぬ」というシミュレーションは、緊急事態宣言という有害無益な「戒厳令」をもたらした。


2020年4月15日の記者会見(NHKより)

西浦氏のモデルは単純だった。武漢とドイツで一時的に計測された基本再生産数Ro=2.5という仮定が世界中で一定だと想定し、世界中で新型コロナに免疫をもつ人がゼロだとするとどうなるか、という思考実験だった。その元になるデータのフィッティングもしていない。

これはイギリスのファーガソンらのモデルの数値を置き換えただけだった。このモデルではRo=2.4と仮定し、8月までにイギリスでは51万人、アメリカでは220万人が死亡すると予測した。

ファーガソンの予測

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自民党だけがなぜ選択的夫婦別姓に反対するのか

立民党が法務委員長を取ったことで、国会に夫婦別姓の選択を認める民法改正案が提出されることが確実になった。自民党以外は(公明党も含めて)全党派が賛成しており、自民党も党議拘束はかけないと思われるので成立は確実だ。


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ネット選挙を事実上禁止する公選法



兵庫県知事選挙は思わぬ展開を見せ、折田楓社長が選挙運動を有償で請け負ったとすれば、斎藤元彦氏が失職する可能性が出てきた。きのうの弁護士の会見は穴だらけで、次のような疑問に答えていない。
  • 「SNS戦略の企画立案などについて依頼をしたというのは事実ではありません」というが、彼女のnoteでは斎藤氏に対するSNS戦略の提案(9月29日)の写真とともに10月から11月17日(投票日)まで一連のスケジュールを示し、「広報全般を任せていただくことになりました」と書いている(今は削除)。

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  • その後も折田氏は選挙演説の横でインスタライブを撮影し、Xアカウントで情報発信している。これは単なる事務ではなく、主体的な選挙運動だと思われるが、それについて斎藤氏が「何も依頼していない」ということは常識的には考えられない。

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  • 10月31日付で出された請求書には、チラシやポスターなどの代金71万5000円が書かれ、折田氏が斎藤氏に見せた「SNS戦略」については何も書かれていないが、支払い期日が11月末日となっており、選挙運動全般の報酬と考えられる。

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    スポニチより

以上の証拠から、少なくとも折田氏が選挙期間中にSNS活動を仕切ったことには疑問の余地がない。問題はこれが有償で依頼された業務か個人的なボランティアかということだが、削除されたスケジュール表では一連の業務として書かれており、社員も動員している。ところが弁護士は、この削除された部分を見ていなかった。

陣営側は選挙運動の依頼が違法だと認識して請求書の内訳を実費だけにしたと思われるが、折田氏は違法性をまったく意識せず、自分が広報活動(選挙運動)を任されたと明言している。この認識の齟齬が今後の争点になるだろう。

根本的な問題は「当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し金銭の供与」をしたときは、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処するという公選法221条1項の規定が、ネット選挙を事実上禁止していることだ。

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「玉木首相」は生まれるか

自公政権と国民民主党の政策協議が注目されている。先週の幹事長会談では、とりあえず「103万円の壁」の見直しが決まったようだ。

この「103万円の壁」は壁ではないが、特別国会で石破首相が指名されないリスクを恐れ、自民党は最大限の注意を払っている。ここでいくつかのシナリオを考えてみよう。

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政権交代で「非自民連立政権」は生まれるか

石破首相は引責辞任を拒否して連立工作を始めているが、国民民主党も維新も泥舟に乗る気はない。それより注目されるのは、立民・国民・維新の3党による第2次野田内閣が生まれる可能性である。国民民主の玉木代表も、首班指名で野田氏に投票する可能性を示唆した。

問題は自民党が来月11日の特別国会までに、石破氏以外の首班候補を立てられるかである。石破vs野田の決選投票になると、野田氏が勝つ確率が高い。

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選挙は大衆のバイアスに迎合する「ナッジ」

啓蒙思想2.0〔新版〕 政治・経済・生活を正気に戻すために (ハヤカワ文庫NF)
総選挙で大勝した立憲民主党の野田佳彦代表が、フジテレビのインタビューで「まず何を優先してやりたいか」という質問に「紙の保険証も使えるようにすること」と答えた。

政策が見えないという批判には「裏金問題で、公示の日から最後まで一点強行突破に徹したから、劇的な変化が生まれてきてると思います」と答えた。彼は選挙をよく知っている。かつて民主党政権で首相として辛酸をなめた経験が生きているのだろう。

古代アテネから18世紀まで、デモクラシーという言葉は衆愚政治という意味以外に使われたことがなかった。フランス革命もアメリカ独立革命も、デモクラシーによる革命ではなかった。

しかしルソーやジョン・ロックなどの啓蒙思想が普遍的な合理主義の概念を世界に広めたので、デモクラシーは科学的な合理主義だという誤解が生まれた。それに対して文化や宗教は各国に固有で普遍的な法則はないと考えられている。

最近の脳科学は、その逆であることを教えている。たとえば気候変動は客観的真理のようにみえるが、その評価は立場によってさまざまだ。IPCCは費用対効果を評価しないというスタンスを取っているが、これは温暖化対策のコストを無視する政治的イデオロギーである。

逆に文化や宗教にも普遍性がある。たとえば死体や排泄物のタブーは世界のすべての文化圏にみられ、「隣人を殺すな」というモラルも例外なく存在する。それはそういうモラルをもたない部族は絶滅してしまうからだ。キリスト教のような一神教こそ特殊なのだ。

選挙で役に立つのは、啓蒙的な合理主義ではない。たとえば野田氏が12年前に首相として提案した最低保障年金は合理的な改革だったが年金官僚につぶされ、誰もそれを知らない。

それに対して消費税の増税を延期する安倍首相の政策は歓迎された。これは目立つ消費税を増税しないでわかりにくい社会保険料を上げ、大衆のバイアスに迎合するナッジだった。これは立民党にもれいわ新選組にも共通した政治のテクニックである。

続きは11月4日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)

政権交代して第2次野田内閣で「社会保険料と消費税の一体改革」を

総選挙は与党の大敗で終わった。石破首相がもともと想定していなかった早期解散を森山幹事長が強引に決めて安倍派の追放をはかったが、非公認や比例復活なしの処分を受けた議員が「裏金議員」という烙印を押されて大量に落選した。森山幹事長が策士策におぼれた自爆である。

自民・公明で215議席。過半数には18議席も足りない。これは一昨日の記事で書いたシナリオ1、1979年の「40日抗争」と同じパターンである。



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与党過半数割れ後の政局3つのシナリオ

各社の世論調査で、自民・公明が過半数(233議席)を割ることがほぼ確実になった。特に自民党は200議席を割る大敗で、石破首相の進退問題になることは避けられない。今後のシナリオを予想してみた。



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維新と国民民主は消費税から逃げないで財源を示せ

党首討論は予想どおり不毛な議論だった。どうでもいい政治とカネの話にほとんどの時間がついやされ、60兆円を超える赤字がこれから激増する社会保障がほとんど取り上げられない。維新と国民民主だけがこの問題を取り上げたが、自民党と立民党が逃げるからだ。


維新の馬場代表が医療費の3割負担に踏み込んだのはいいが、財源論で公明党に突っ込まれていた。

石井(公明) 維新の公約で、窓口負担を現役世代と同じく原則3割と主張している。どれくらいの負担増を見込んでいるのか。

馬場(維新) 年金制度などを一本化して所得保障制度を導入し、実行したい。3割負担では、病院に行かなくても良い人には受診を控えてもらえるのではないか。適正な医療を受けられるよう実現したい。

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