法/政治

日本でも解雇は「原則自由」である

ツイッター社の突然の解雇が話題を呼んでいるが、今回のようなケースは海外では珍しくない。事前に通告すると社員が企業秘密を持ち出すおそれがあるので、予告なしに解雇するのが普通だ。SNSへのアクセスも止められ、自分のオフィスに戻ることも禁止され、机に入っている私物は段ボール箱に入れて自宅に送ってくる。

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戦争は「安全保障のジレンマ」ではなく「チキンゲーム」

アゴラの野口和彦氏の記事が、ちょっと論議を呼んでいる。

これはチキンゲームの状況である。次のペイオフ行列の数字はNATOの利益を示し、ロシアも対称とする。ロシアが核攻撃してNATOが核で報復する左上の状態(第3次世界大戦)は最悪で、双方とも譲歩する右下の状態がベストだが、いずれもナッシュ均衡(安定した状態)ではない。相手が譲歩するチキンだとわかっていれば、攻撃することが最適戦略だからである。


ナッシュ均衡は二つある。もしバイデンがチキンだとプーチンが知っていれば核攻撃し、NATOは報復しない。ウクライナ戦争はロシアの勝利に終わり、世界大戦は避けられる。これが右上の状態である。他方、NATOが報復し、ロシアが譲歩した場合(左下)でも世界大戦は避けられる。

戦争を安全保障のジレンマとして語ることが多いが、これは誤りである。囚人のジレンマにはナッシュ均衡(支配戦略)は一つしかないので、つねに攻撃することが最適で、それを避ける戦略は(1回の戦争では)存在しない。戦争は、どっちかがチキンになれば終わるチキンゲームなのだ。

ランガムも指摘するように、こういうチキンゲーム的な状況は、霊長類でも普遍的である。ニホンザルもゴリラも、弱い猿は強い猿に従い、強い猿は食物などを弱い猿に分配する。猿山のような秩序は不平等だが、オス同士が争うと群れが崩壊してしまうので、弱い猿は一生チキンを演じることが最適なのだ。

続きは10月24日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)

長すぎた「平和主義」を卒業するとき

ロシアのプーチン大統領は、戦争で占領したウクライナ東部の4州を併合すると発表した。これを受けてウクライナのゼレンスキー大統領は、NATO加盟を申請した。これは第3次世界大戦への第一歩となるかもしれない。

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国葬は「将軍的権力」による権威の奪取?


東大の駒場で19日に開かれたシンポジウムが話題になっている。といっても東大が開催したわけではなく、國分功一郎研究室の開いたZoom会議だが、参加者は次の通り:
  • 國分功一郎(東京大学)
  • 石川健治(東京大学)
  • 片山杜秀(慶應大学)
  • 白井聡(京都精華大学)
  • 三牧聖子(同志社大学)
  • 山口広(弁護士)
ガラパゴス憲法学者の石川氏や、色物の白井氏の話の中身は聞かなくてもわかる。國分氏が安倍政権の「巨悪」として指弾するのはモリカケ桜だが、驚いたのは片山氏の話だ。他の論者とのバランスを取るのかと思ったら、今回の国葬は「将軍的欲望の発露」であり、「権力による権威の奪取」だという。

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これは反語でも皮肉でもなく、歴史的に権威(天皇)と権力(将軍)を分離してきた日本で、「ついに真のファシズムが誕生する」という。この「将軍」とは岸田首相のことだが、彼の頭は大丈夫だろうか。

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国葬って何?

岸田内閣の支持率は、毎日新聞の世論調査で29%と発足以来、最低になりました。その最大の原因は9月27日に行われる安倍元首相の国葬で、反対が62%にのぼっていますが、何が問題なのかよくわかりません。


吉田茂の国葬

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統一教会についての論点整理

統一教会(世界統一平和家庭連合)をめぐる騒ぎには、おもしろい特徴がある:その全盛期を知らない人ほど、統一教会が「巨悪」だと思い込んで騒ぐことだ。統一教会は文鮮明の死後、分裂し、今は信者6万人程度の零細な新宗教にすぎない。

しかし1990年代の霊感商法や合同結婚式は大規模だった。今ワイドショーに出ているのは、その時期までの「元信者」がほとんどだ。1988年の合同結婚式が、あたかも現在の教団の問題であるかのように延々と語られ、時系列がこちゃごちゃになっているので、ここで整理しておこう。

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「統一教会パージ」をあおる人権派弁護士と憲法学者

岸田首相が自民党所属国会議員に統一教会との関係を断つよう指示し、これを受けて党内では、思想調査が行われている。このように特定の宗教団体を名指しで排除するのは、官庁や企業から共産党員を排除した終戦直後のレッドパージ以来の思想弾圧である。



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「戦後レジーム」のねじれ

安倍晋三氏の死は、首相を8年近くつとめた後なのに「志なかば」という印象を与える。それは彼の窮極の目的が、戦後レジームからの脱却だったからだろう。GHQに武装解除された「戦後民主主義」を否定し、独立国としての主権を取り戻すことは、彼が岸信介から引き継いだ悲願だった。

戦後の日本政治では、奇妙にねじれた対立構造が続いてきた。他の西側諸国では、自由経済を掲げる保守政党と社会主義の影響を受けた社民政党(アメリカの民主党を含む)の政権交代があったのに対して、日本では社民が育たなかった。

その最大の原因は、GHQ民政局の社会主義的な戦後改革で、国の中核に社民主義を抱え込んだからだ。農地改革で大地主はいなくなり、財閥解体で資本家もいなくなった。憲法で武装解除して、米軍がずっと駐留する「属国」にしてしまった。

国家警察も解体されて自治体警察になり、国家神道も解体されて靖国神社は民営になった。いま問題になっている「弱い警察」や宗教法人の過保護も、半社会主義的な戦後レジームの一環である。安倍氏がその犠牲になったのは皮肉だった。

続きは8月29日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)

今こそ安倍晋三氏の「反共」の理念が必要だ

安倍晋三氏は、日本には珍しい「グランドデザイン」をもつ政治家だった。この暗殺事件のきっかけになった(と犯人が供述している)2021年9月12日のビデオメッセージを見ると、彼が単なるあいさつ以上の話をしていることがわかる。



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ウクライナ戦争の最悪の結果はロシアが勝つことではない

ミアシャイマーの講演は、よくも悪くも戦争前と変わらないが、彼の見通しはますます悲観的になっている。

明らかに、両国が勝つことはできない。 さらに一方がひどく負け始めるという深刻な可能性がある。アメリカの政策が成功し、ロシア人が戦場でウクライナ人に負けた場合、プーチンは状況を救うために核兵器に目を向けるかもしれない。CIA長官のアヴリル・ヘインズは、5月に上院軍事委員会に、これがプーチンにウクライナで核兵器を使用させる可能性のある2つの状況の1つであると語った。

プーチンが不合理な独裁者で、大ロシアを回復するためにウクライナ征服をめざしたという説には説得力がない。もしプーチンがウクライナ東部を併合するつもりなら、2014年のミンスク合意のときやっていたはずだ。

あのときウクライナ軍は弱体で、ドンバス地方はクリミアと同じように、容易にロシアに併合できただろう。そのとき自重したプーチンが、今年2月に侵略を決意したのはなぜか。

続きは7月18日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)



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