高市首相は労働基準法に関心をもち、労働政策審議会の改正審議に「時間外労働の上限規制緩和」を求めたらしい。働きたい労働者が働けるように規制を緩和するのは結構なことだが、コアの問題はそこではない。
日本経済が30年以上にわたって停滞しているボトルネックは、労働市場で雇用が流動化しないことだ。これを解決すれば日本経済が飛躍的に成長するわけではないが、これを解決しないと財政バラマキをいくらやっても、インフレになるだけで成長できない。人材不足がボトルネックになっているからだ。
これが2021年の自民党総裁選で河野太郎氏や小泉進次郎氏が提起した解雇ルールである。日本では労使ともに解雇という言葉がタブーなので、法律で解雇の条件を明文化せず、裁判所がアドホックに「不当解雇」についての判例を積み重ねてきた。その定義も整理解雇の4要件という1979年の判例で決まったままだ。これは

ところが労働法にはこれに対応する具体的な規定がないので、解雇ルールを明確にして訴訟の余地をなくすため、2003年に労基法が改正された。しかし解雇ルールについては労使が合意できなかったため、判例で決まっていた解雇権濫用法理を実定法(のちの労働契約法16条)にするだけに終わり、その後も20年以上にわたって堂々めぐりの議論が続いている。
しかし法改正しなくても日本の外資系企業では金銭解雇がおこなわれている。解雇するとき訴訟を起こさないという誓約書をとり、退職金を加算するのだ。このように裁判なしで当事者の合意で金銭解決すればいいのだが、日本企業では裁判所が不当解雇だと認めないと金銭解決できない。解雇が正当か不当かを裁判で争うより、当事者が金銭で解決すればいいのだ。
現実には裁判の和解で4~7ヶ月分の和解金が支払われることが多く、事実上の金銭解決の相場ができている。これを立法化して金銭解決ルールを決め、基準となる退職金の加算額を明記すればよい。これについては経済学者の提案もあり、ここではケースに応じて最高38ヶ月分の補償額を法律で決め、それ以上については労使の交渉で決める。
いずれにせよ日本経済の行き詰まりを打開する上で労働市場の自由化がきわめて重要だというのは、専門家のコンセンサスである。それを妨害してきたのは、高市氏のように「解雇の自由を認めるのは非人道的だ」などと難癖をつける政治家と、正社員の既得権を守りたい労働組合である。
現実には裁判の和解で4~7ヶ月分の和解金が支払われることが多く、事実上の金銭解決の相場ができている。これを立法化して金銭解決ルールを決め、基準となる退職金の加算額を明記すればよい。これについては経済学者の提案もあり、ここではケースに応じて最高38ヶ月分の補償額を法律で決め、それ以上については労使の交渉で決める。
いずれにせよ日本経済の行き詰まりを打開する上で労働市場の自由化がきわめて重要だというのは、専門家のコンセンサスである。それを妨害してきたのは、高市氏のように「解雇の自由を認めるのは非人道的だ」などと難癖をつける政治家と、正社員の既得権を守りたい労働組合である。
必要なのは解雇規制の緩和ではなく、解雇ルールを法律で決めて個人を会社から自由にすることだ。それは企業経営の自由度を高めて中途採用を増やし、賃金を上げることにつながる。今は正社員の雇用リスクが大きすぎ、社内失業者を養うために賃金が上げられないのだ。このような労働市場の改革が、日本経済の立ち直る必要条件である。
日本経済が30年以上にわたって停滞しているボトルネックは、労働市場で雇用が流動化しないことだ。これを解決すれば日本経済が飛躍的に成長するわけではないが、これを解決しないと財政バラマキをいくらやっても、インフレになるだけで成長できない。人材不足がボトルネックになっているからだ。
これが2021年の自民党総裁選で河野太郎氏や小泉進次郎氏が提起した解雇ルールである。日本では労使ともに解雇という言葉がタブーなので、法律で解雇の条件を明文化せず、裁判所がアドホックに「不当解雇」についての判例を積み重ねてきた。その定義も整理解雇の4要件という1979年の判例で決まったままだ。これは
- 人員整理の必要性
- 解雇回避努力義務の履行
- 被解雇者選定の合理性
- 解雇手続きの妥当性

問題は「解雇規制」ではない
小泉氏は総裁選でこれを「解雇規制の緩和」と言ったので集中砲火を浴びたが、日本では解雇は原則として自由である。民法627条では「雇用期間が定められていない場合は、各当事者はいつでも解約の申入れをすることができる。解約の申入れの日から2週間を経過すると雇用関係が終了する」と解雇自由の原則を定めている。これは民法の契約自由の原則であり、すべての法律に適用される。ところが労働法にはこれに対応する具体的な規定がないので、解雇ルールを明確にして訴訟の余地をなくすため、2003年に労基法が改正された。しかし解雇ルールについては労使が合意できなかったため、判例で決まっていた解雇権濫用法理を実定法(のちの労働契約法16条)にするだけに終わり、その後も20年以上にわたって堂々めぐりの議論が続いている。
しかし法改正しなくても日本の外資系企業では金銭解雇がおこなわれている。解雇するとき訴訟を起こさないという誓約書をとり、退職金を加算するのだ。このように裁判なしで当事者の合意で金銭解決すればいいのだが、日本企業では裁判所が不当解雇だと認めないと金銭解決できない。解雇が正当か不当かを裁判で争うより、当事者が金銭で解決すればいいのだ。
現実には裁判の和解で4~7ヶ月分の和解金が支払われることが多く、事実上の金銭解決の相場ができている。これを立法化して金銭解決ルールを決め、基準となる退職金の加算額を明記すればよい。これについては経済学者の提案もあり、ここではケースに応じて最高38ヶ月分の補償額を法律で決め、それ以上については労使の交渉で決める。
いずれにせよ日本経済の行き詰まりを打開する上で労働市場の自由化がきわめて重要だというのは、専門家のコンセンサスである。それを妨害してきたのは、高市氏のように「解雇の自由を認めるのは非人道的だ」などと難癖をつける政治家と、正社員の既得権を守りたい労働組合である。
現実には裁判の和解で4~7ヶ月分の和解金が支払われることが多く、事実上の金銭解決の相場ができている。これを立法化して金銭解決ルールを決め、基準となる退職金の加算額を明記すればよい。これについては経済学者の提案もあり、ここではケースに応じて最高38ヶ月分の補償額を法律で決め、それ以上については労使の交渉で決める。
いずれにせよ日本経済の行き詰まりを打開する上で労働市場の自由化がきわめて重要だというのは、専門家のコンセンサスである。それを妨害してきたのは、高市氏のように「解雇の自由を認めるのは非人道的だ」などと難癖をつける政治家と、正社員の既得権を守りたい労働組合である。
必要なのは解雇規制の緩和ではなく、解雇ルールを法律で決めて個人を会社から自由にすることだ。それは企業経営の自由度を高めて中途採用を増やし、賃金を上げることにつながる。今は正社員の雇用リスクが大きすぎ、社内失業者を養うために賃金が上げられないのだ。このような労働市場の改革が、日本経済の立ち直る必要条件である。


