高市首相は労働基準法に関心をもち、労働政策審議会の改正審議に「時間外労働の上限規制緩和」を求めたらしい。働きたい労働者が働けるように規制を緩和するのは結構なことだが、コアの問題はそこではない。



日本経済が30年以上にわたって停滞しているボトルネックは、労働市場で雇用が流動化しないことだ。これを解決すれば日本経済が飛躍的に成長するわけではないが、これを解決しないと財政バラマキをいくらやっても、インフレになるだけで成長できない。人材不足がボトルネックになっているからだ。

これが2021年の自民党総裁選で河野太郎氏や小泉進次郎氏が提起した解雇ルールである。日本では労使ともに解雇という言葉がタブーなので、法律で解雇の条件を明文化せず、裁判所がアドホックに「不当解雇」についての判例を積み重ねてきた。その定義も整理解雇の4要件という1979年の判例で決まったままだ。これは
  1. 人員整理の必要性
  2. 解雇回避努力義務の履行
  3. 被解雇者選定の合理性
  4. 解雇手続きの妥当性
という要件で、中小企業の場合は解雇しないと倒産する場合、大企業の場合は事業部門を閉鎖する場合しか解雇できない。このため中小企業は経営が悪化すると金銭なしで解雇して労働者は泣き寝入りし、大企業は訴訟を恐れてまったく解雇しなくなった。

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