本書は宗教社会学の世界的権威ロバート・ベラーの最後の大著だが、そのテーマは「遊び」である。宗教といえば聖職者がまじめに祈祷や儀式をするものだが、著者は(ホイジンガに従って)遊びはまじめの対義語ではなく、宗教はまじめな遊びだという。
多くの霊長類に見られる遊びは、グルーミング(毛づくろい)である。猿は起きている時間の3割をグルーミングについやす。これはダンバーのいうように、毛づくろいで親近感を表現し、相手はそれを許す(背中を見せる)ことで信頼感を示す儀式である。
類人猿の集団内の序列は生まれたとき決まっているが、それは下位の個体のストレスとなる。それを解消するために、上位と下位の個体が互いに毛づくろいし、集団意識を高めるのだ。グルーミングは生存の役に立たないという意味では遊びだが、集団を維持するためには必要な行動である。
宗教の原型も、こういう集団維持のための遊びだったと考えられる。毛づくろいは最大でも十匹ぐらいしかできないが、言葉を使えば世間話で100人程度までの集団が互いに仲間であることを確認できる。このような世間話が神話として多くの部族社会で語り伝えられ、宗教が生まれた。
遊びは労働時間以外の「暇つぶし」だが、一緒に遊ぶためには同じルールに従う合意が必要である。部族社会の祭や儀式はこの合意を確認する集団行動で、音楽やダンスなどの娯楽を含んでいる。生存に必要ない音楽がすべての民族にあるのも、このためである。遊びは楽しくないと続かないからだ。
続きは10月6日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
多くの霊長類に見られる遊びは、グルーミング(毛づくろい)である。猿は起きている時間の3割をグルーミングについやす。これはダンバーのいうように、毛づくろいで親近感を表現し、相手はそれを許す(背中を見せる)ことで信頼感を示す儀式である。
類人猿の集団内の序列は生まれたとき決まっているが、それは下位の個体のストレスとなる。それを解消するために、上位と下位の個体が互いに毛づくろいし、集団意識を高めるのだ。グルーミングは生存の役に立たないという意味では遊びだが、集団を維持するためには必要な行動である。
宗教の原型も、こういう集団維持のための遊びだったと考えられる。毛づくろいは最大でも十匹ぐらいしかできないが、言葉を使えば世間話で100人程度までの集団が互いに仲間であることを確認できる。このような世間話が神話として多くの部族社会で語り伝えられ、宗教が生まれた。
遊びは労働時間以外の「暇つぶし」だが、一緒に遊ぶためには同じルールに従う合意が必要である。部族社会の祭や儀式はこの合意を確認する集団行動で、音楽やダンスなどの娯楽を含んでいる。生存に必要ない音楽がすべての民族にあるのも、このためである。遊びは楽しくないと続かないからだ。
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