現代のサラリーマンは、週40時間働く。これは人類の歴史の中では異常な長時間労働である。たとえば年収800万円のサラリーマンの家族が生活に必要なのは、300万円ぐらいだろう。それなら1日3時間働いたら、あとは休んだほうがいい。これからホワイトカラーの労働時間は、AIでますます短くなる。
ケインズは「2030年には所得は今の8倍になるので、労働時間は1日3時間になるだろう」と予言した。今の世界のGDPは彼の生きていた1930年代の20倍だが、人々は相変わらず1日8時間働き、余ったお金を貯蓄している。これは不合理である。
石器時代の人類は、ケインズの予告したような生活をしていた。今でもブッシュマンは毎週8~10時間ほど働き、1日暮らせる獲物がとれると仕事を終え、それを料理して食う。あとは世間話をしたり寝たりしている。生きていけるだけの獲物をとると休み、それ以上は遊んでいるのだ。これは現代人より合理的な生活である。
現代人と比べるとブッシュマンが貧しいことは事実だが、それは歴史的に狩猟採集民が農民より貧しかったことを意味しない。ブッシュマンの栄養状態はよく、遺跡から出てくる骨から推測すると、移動民の身長は農民より10cmぐらい高かったと思われる。
だから「狩猟採集で食えなくなったから農業を始めて定住した」という通念は誤りである。遺伝的には人類の脳も体も移動生活に最適化しているので、定住には向いていないのだ。日本では1万2000年前から定住生活が始まったが、農耕が始まったのは3000年前である。農耕が定住を生んだのではなく、その逆なのだ。
続きは9月8日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
ケインズは「2030年には所得は今の8倍になるので、労働時間は1日3時間になるだろう」と予言した。今の世界のGDPは彼の生きていた1930年代の20倍だが、人々は相変わらず1日8時間働き、余ったお金を貯蓄している。これは不合理である。
石器時代の人類は、ケインズの予告したような生活をしていた。今でもブッシュマンは毎週8~10時間ほど働き、1日暮らせる獲物がとれると仕事を終え、それを料理して食う。あとは世間話をしたり寝たりしている。生きていけるだけの獲物をとると休み、それ以上は遊んでいるのだ。これは現代人より合理的な生活である。
現代人と比べるとブッシュマンが貧しいことは事実だが、それは歴史的に狩猟採集民が農民より貧しかったことを意味しない。ブッシュマンの栄養状態はよく、遺跡から出てくる骨から推測すると、移動民の身長は農民より10cmぐらい高かったと思われる。
だから「狩猟採集で食えなくなったから農業を始めて定住した」という通念は誤りである。遺伝的には人類の脳も体も移動生活に最適化しているので、定住には向いていないのだ。日本では1万2000年前から定住生活が始まったが、農耕が始まったのは3000年前である。農耕が定住を生んだのではなく、その逆なのだ。
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