ウィトゲンシュタイン 『哲学探究』という戦い
ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」のコア概念は、家族的類似性である。これは記号(シニフィアン)の意味はその本質(シニフィエ)にあるというアウグスティヌス以来の言語観を否定し、言葉に本質的な意味はないと考えるものだ。

言語と呼ばれるすべての現象に共通なものは存在しない。何か共通点があるからそれらを同じ一つの言葉で呼ぶのではない。――それらは多くの異なった仕方で互いに血縁関係にある。この血縁関係のゆえに、われわれはそのすべてを「言語」と呼ぶのである。(65節)

この「血縁関係」を彼は家族的類似性と呼ぶ。親子の顔には同一の部分はないが、全体としては似ている。言葉の意味はその本質ではなく、このようなパターンの類似性なのだ。

哲学や数学は曖昧さを排除するが、家族的類似性は曖昧である。犬と狼の境界は厳密にははっきりしないが、近所にいる動物は犬で山の中にいるのは狼である。この曖昧さが言葉の本質であり、1対1に対応する集合論の意味は人工的な概念である。

したがって思考も論理的に本質を明らかにするのではなく、パターンの類似性を見出すことだ。これは前期のウィトゲンシュタインが言葉を対象の写像だと考えたのとはまったく異なる思想だが、大規模言語モデル(LLM)に通じるものがある。チャットGPTに続きを書いてもらった。

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