生物はなぜ死ぬのか。これは定義の問題である。バクテリアなどの単細胞生物は全体を一つの生命体と考えると、栄養を補給できるかぎり死なないが、親細胞と(細胞分裂で生まれる)子細胞を区別すると、親細胞は死ぬ。
細胞レベルではすべての生物は新陳代謝するので、つねに死んでは生き返っている。人間の体細胞も一定の期間で死ぬようにプログラムされているので、1年もたてば(神経や心筋以外の)すべての細胞は入れ替わる。物理的には、昨年のあなたと今のあなたは別の生物である。
では「生きている」とは何か。それは細胞が入れ替わっても不変の本質があるからだ。生命の本質が遺伝子(DNAの塩基配列)だとすれば、親が死んでも生殖細胞の遺伝子が子に受け継がれると、生命は(半分)継承される。死ぬのはその乗り物である肉体だけだ。
しかし進化の歴史の中で生存競争に生き残るのは長く生きる個体だとすると、早く死ぬ個体は淘汰され、生物の寿命はどんどん長くなってもいいはずだ。ところが(単細胞生物は別として)動物の寿命は一定で、人間も130歳以上生きた人はいない。一定の年齢で死ぬのはなぜか。
続きは5月5日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
細胞レベルではすべての生物は新陳代謝するので、つねに死んでは生き返っている。人間の体細胞も一定の期間で死ぬようにプログラムされているので、1年もたてば(神経や心筋以外の)すべての細胞は入れ替わる。物理的には、昨年のあなたと今のあなたは別の生物である。
では「生きている」とは何か。それは細胞が入れ替わっても不変の本質があるからだ。生命の本質が遺伝子(DNAの塩基配列)だとすれば、親が死んでも生殖細胞の遺伝子が子に受け継がれると、生命は(半分)継承される。死ぬのはその乗り物である肉体だけだ。
しかし進化の歴史の中で生存競争に生き残るのは長く生きる個体だとすると、早く死ぬ個体は淘汰され、生物の寿命はどんどん長くなってもいいはずだ。ところが(単細胞生物は別として)動物の寿命は一定で、人間も130歳以上生きた人はいない。一定の年齢で死ぬのはなぜか。
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