トランプ関税はまるでバカげた政策というわけではない。その中枢であるベッセント財務長官は、ソロスファンドがイングランド銀行を倒したときのファンドマネジャーであり、世界のヘッジファンドから尊敬される投資のプロだ。

彼がトランプ関税のねらいとして語ったのがアメリカの再工業化によって製造業を復権させる戦略である。これはそれほど荒唐無稽な話ではなく、クルーグマンやサマーズも「理論的には成り立つ」と認める。


ホワイトハウスの書き起こしの要約

① トランプ政権の関税政策の目的
  • 関税収入を使って減税を可能にし、中間層を支援。
  • 製造業の国内回帰(リショアリング)を促進し、経済の再工業化を目指す。
  • 「経済安全保障=国家安全保障」との認識から、サプライチェーンを国内に戻す。
② 中間層と地域格差の是正
  • 「チャイナ・ショック」による中西部の衰退を取り戻すことが政策の核心。
  • 「ウォール街はもう十分稼いだ。今度はメインストリート(地方経済)の番」というスローガン。
③ 財政政策との関係
  • トランプ政権は関税収入を活用して、チップ、社会保障、残業に対する税金の廃止などを検討。
  • 関税は年間3,000億~6,000億ドルの収入を見込む。
  • 「政府の無駄遣い削減(DOGE)」と合わせて、財政健全化を目指す。
つまりレーガン政権以降の新自由主義によるグローバリゼーションを逆転し、中間層を再生させようという壮大な構想だが、そんなことが可能なのだろうか。

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