量子力学の100年
きょうは「世界量子デー」で、グーグルの検索窓にも量子もつれの図が出ている。今年はハイゼンベルクが不確定性原理を発見した1925年からちょうど100年目で、世界ではいろいろな記念行事がおこなわれ、ほとんどの人には無関係な量子力学がちょっと話題になっている。

一般向けの量子力学の本では、不確定性原理やシュレーディンガー方程式を説明することはまずなく、観測問題と呼ばれるパラドックスが解説される。ただ物理屋さんに聞くと「観測問題は単なる解釈の違いで、どう解釈しても実験結果に違いはないので興味がない」という。

本書のテーマも観測問題だが、このような従来の常識がくつがえされたことを明らかにしている。それが量子もつれである。これは光速を超える遠隔作用があるという話で、昔は茶飲み話だったが、最近はこれを応用した量子コンピュータが実験室で実現して注目を集めている。

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量子もつれは、1964年にベルの不等式として提唱された。これ自体はシュレーディンガー方程式の必然的帰結だが、直感に反するため、それが成り立たないことを1972年に実験で証明したジョン・クラウザーは大学に職を得られなかったが、2022年にノーベル賞を受賞した。

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