資本主義が「新しい中世」に向かっているというのは新しい話ではない。田中明彦『新しい中世』は主権国家中心の国際秩序がインターネットで掘り崩され、国境を超えるグローバル資本主義が生まれていると述べた。
本書も似たような認識から始まるが、それをテクノ封建制と呼ぶ。なぜそれが資本主義ではなく封建制なのか、という問題についての答は曖昧だ。資本主義の原理が利潤なのに対して、封建領主が取るのはレント(地代)だというが、資本主義にもレントはある。
GAFAMのような独占企業の利潤は独占レントだから、競争的な利潤とは違って独占が続く限り消えない。このように企業集中度が高まる傾向は2000年代以降、世界共通に観察されている。それはインターネットがグローバルな規模の経済を実現したからだ。
電力や電話のような独占は物理的インフラに依存しているので独占は国内に限られるが、インターネットはインフラを選ばないので、グローバルな独占が可能になる。たとえばアマゾンの固定費用(技術開発費)はユーザーが増えても一定なので、世界にユーザーが増えれば増えるほど限界費用(単価)は小さくなり、最適規模は無限大になるのだ。
続きは2月24日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
本書も似たような認識から始まるが、それをテクノ封建制と呼ぶ。なぜそれが資本主義ではなく封建制なのか、という問題についての答は曖昧だ。資本主義の原理が利潤なのに対して、封建領主が取るのはレント(地代)だというが、資本主義にもレントはある。
GAFAMのような独占企業の利潤は独占レントだから、競争的な利潤とは違って独占が続く限り消えない。このように企業集中度が高まる傾向は2000年代以降、世界共通に観察されている。それはインターネットがグローバルな規模の経済を実現したからだ。
電力や電話のような独占は物理的インフラに依存しているので独占は国内に限られるが、インターネットはインフラを選ばないので、グローバルな独占が可能になる。たとえばアマゾンの固定費用(技術開発費)はユーザーが増えても一定なので、世界にユーザーが増えれば増えるほど限界費用(単価)は小さくなり、最適規模は無限大になるのだ。
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