河野太郎氏が年金法改正に疑問を呈している。
これは一般論としてはその通りで、いま国民年金を払っている労働者は、次のように本人負担だけみると1万9100円が1万2500円に減る。負担が減って年金受給額が増えるというおいしい話のように見える。
厚労省の資料
しかしいま負担ゼロのパートの主婦(第3号被保険者)は、106万円の壁がなくなると第2号になるので、負担が15%増える。
また事業主負担は企業にとっては人件費として賃金と一体だから、「社保倒産」を避けるには賃金に転嫁する必要がある。たとえば今のように3%のインフレのとき賃上げしなければ、実質賃金は3%下がる。こうして長期的には、社会保険料はほぼ100%賃金に転嫁されるというのが、経済学の常識である。
厚労省の資料
今回の年金法改正には、このように給付を手厚くする効果もある。これは図のように4590万人の厚生年金被保険者を増やし、赤の部分200万人に適用を拡大する。その発想はいいのだが、これは財政的にボロボロの国民年金の赤字を厚生年金で埋める結果になる。
続きは10月25日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
「106万円の壁」を無くすために、厚生年金の加入条件を緩め厚生年金の適用を拡大しようという動きもあります。社会保険の適用条件のうち、企業規模と賃金の条件を撤廃し、週に20時間以上働いている人にはみんな厚生年金に入ってもらうことで、最初から壁を無くそうというものです。…
— 河野太郎 (@konotarogomame) November 18, 2024
これは一般論としてはその通りで、いま国民年金を払っている労働者は、次のように本人負担だけみると1万9100円が1万2500円に減る。負担が減って年金受給額が増えるというおいしい話のように見える。
厚労省の資料
しかしいま負担ゼロのパートの主婦(第3号被保険者)は、106万円の壁がなくなると第2号になるので、負担が15%増える。
また事業主負担は企業にとっては人件費として賃金と一体だから、「社保倒産」を避けるには賃金に転嫁する必要がある。たとえば今のように3%のインフレのとき賃上げしなければ、実質賃金は3%下がる。こうして長期的には、社会保険料はほぼ100%賃金に転嫁されるというのが、経済学の常識である。
厚労省の資料
今回の年金法改正には、このように給付を手厚くする効果もある。これは図のように4590万人の厚生年金被保険者を増やし、赤の部分200万人に適用を拡大する。その発想はいいのだが、これは財政的にボロボロの国民年金の赤字を厚生年金で埋める結果になる。
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