河野太郎氏の「変身」が話題になっている。2021年の総裁選でも原発再稼動には賛成だったので、反原発だったわけではないが、当時はSMRには反対し、新増設には否定的だった。それが東海第二原発を見学し、核融合にまで言及した。

その理由について「生成AIやデータセンターなどによる電力需要の増加を考えると、原発を再稼働していっても、さらに需要が上回る可能性もある」と述べた。これはかつて「脱工業化社会にエネルギー多消費産業はいらない」と言っていたのに比べると大きな前進である。

「総裁選向けのリップサービスだ」と警戒する向きも多いが、彼はもともと「私は反原発ではなく反核燃料サイクルだ」と言っていた。そのサイクルも宙に浮き、六ヶ所村の再処理工場は運転を26回延期しても見通しが立たない。これに引導を渡せるのは河野氏しかいない。

といっても再処理工場を解体しろというのではない。原子力は日本が世界トップの競争力をもつ数少ない産業である。再処理工場で蓄積された技術や人材を生かせば、六ヶ所村は原子力開発の拠点になりうる。

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