NHKスペシャル「安保闘争」が話題になっていたのでNHKプラスで見たが、予想どおりひどい番組だった。

番組では60年安保と全共闘運動を「2度にわたり繰り広げられた安保闘争」とひとまとめにしていたが、運動の性格はまったく違う。ただバカバカしい運動だったという点では似ているので、満州事変と日米戦争をまとめて1本の番組にすると、こうなるのかなと思った。学生運動も戦争のような歴史になったのだろう。

60年安保は、初期には安保条約の破棄を目的とした極左的な運動だったが、途中から条約の改正に反対するわけのわからない運動になった。旧安保条約は不平等条約だったので、それを改正するのは当たり前だが、当時の全学連(60年ブント)の指導者だった西部邁も「条文は読んだことがない」と言っていた。

途中から何をめざす運動なのかわからなくなり、「強行採決に反対して民主主義を守る」という運動になったが、これもナンセンスな話だった。座り込みで審議を止めたのは野党であり、それを警官隊を導入して排除した岸信介の手続きは正当だった。

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