このごろ社会保障の話にMMTがわいてくる。たとえばこんな感じだ。
彼らの論理は単純である。現役世代の負担を減らすには、老人の負担を増やす必要はない。社会保障給付134兆円を借金すればいいのだ。MMTの論理では国債も必要なく、通貨を発行すればいい。たとえば財務省が「134兆円紙幣」を発行し、日銀がそれを買って日銀券を発行すれば、政府がそれを年金や医療給付に使える。
統合政府で考えると通貨は政府債務としては国債と同じだが、無利子で返済不要である。コアのMMTでは国債=通貨で金利はつねにゼロなので、歳出をすべて通貨でまかなう無税国家が可能なのだ。これによってインフレが起こるが、増税や価格統制でコントロールすればいい、とケルトンは言っている。
インフレで政府の実質債務が減るだけでなく、年金債務などの隠れ借金も減らせる。社会保障特別会計は大幅な赤字なので、今年度は一般会計から36兆円借りている。そのうち消費税が23兆円なので、残り13兆円が特別会計の一般会計に対する借金(国債)だ。これは今後ますます大きくなり、年金債務だけでも累計1100兆円以上と推定されている。
増税で一般会計の赤字は減らせるが、この隠れ借金は減らせない。それを減らす唯一の方法が、インフレ税なのだ。たとえば3%のインフレが10年続けば、一般会計の債務も年金債務も30%減る。名目ベースで決まっている医療費なども、実質給付額が30%減る。老人医療の3割負担などの「苦い薬」なしでも、みんなの負担を減らすことができる…だろうか?
続きは12月11日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
池田信夫という人が絡んできたので反論してたらブロックされた。それなりに肩書きある人みたいだけど、こういう人が日本をダメにしてきたんだろうなあ。
— あんどう裕(ひろし) 前・衆議院議員 (@andouhiroshi) December 2, 2023
それにしても、高齢者の医療費負担増に賛成する人が多すぎる。恐ろしいことだ。高齢者を大事にしない国は滅びるだろう。 pic.twitter.com/5mtQzDW9AS
彼らの論理は単純である。現役世代の負担を減らすには、老人の負担を増やす必要はない。社会保障給付134兆円を借金すればいいのだ。MMTの論理では国債も必要なく、通貨を発行すればいい。たとえば財務省が「134兆円紙幣」を発行し、日銀がそれを買って日銀券を発行すれば、政府がそれを年金や医療給付に使える。
統合政府で考えると通貨は政府債務としては国債と同じだが、無利子で返済不要である。コアのMMTでは国債=通貨で金利はつねにゼロなので、歳出をすべて通貨でまかなう無税国家が可能なのだ。これによってインフレが起こるが、増税や価格統制でコントロールすればいい、とケルトンは言っている。
インフレで政府の実質債務が減るだけでなく、年金債務などの隠れ借金も減らせる。社会保障特別会計は大幅な赤字なので、今年度は一般会計から36兆円借りている。そのうち消費税が23兆円なので、残り13兆円が特別会計の一般会計に対する借金(国債)だ。これは今後ますます大きくなり、年金債務だけでも累計1100兆円以上と推定されている。
増税で一般会計の赤字は減らせるが、この隠れ借金は減らせない。それを減らす唯一の方法が、インフレ税なのだ。たとえば3%のインフレが10年続けば、一般会計の債務も年金債務も30%減る。名目ベースで決まっている医療費なども、実質給付額が30%減る。老人医療の3割負担などの「苦い薬」なしでも、みんなの負担を減らすことができる…だろうか?
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