楽天の三木谷社長に、NTT広報が反撃して話題を呼んでいる。


これに対してソフトバンクやKDDIも応戦している。


事の発端は、昨年決まった防衛費の増額の財源として、政府が保有するNTT株の33.3%を売却して完全民営化する話が自民党で出てきたことだ。NTTの時価総額は、22日現在で15.7兆円。政府保有株の時価は5.2兆円である。これをすべて売却すれば、防衛予算の半年分ぐらいは出るが、恒久財源にはならない。

それより大事な問題は、完全民営化するとどんな「国民の利益」が損なわれるのかということだ。自民党内で反対が強いのは②のユニバーサルサービスからの撤退だが、今どき電話線を全国で維持する必要はない。③の安全保障については、そのための規制をすればよい。ソフトバンクのインフラは外資のボーダフォンが所有していたが、それ自体は問題ではない。

結局、①の「国費で作られた局舎・電柱・管路等を活用して構築された光ファイバー網」が独占されるというのが、ほぼ唯一の論点だと思うが、これも無線が主流になった現在では、ほとんど意味がない。それよりNTTが特殊会社として強く規制されていることが、日本の通信業界全体の地盤沈下をまねいている。

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