このごろ自民党だけでなく、国民民主党や維新まで財政バラマキ(あるいはバラマキ減税)を主張するようになった。ゼロ金利時代が長く続いたため、多少あらっぽく財政赤字を出しても、何も起こらないと思っているのだろう。
これはある意味では正しい。コロナのバラマキとウクライナ戦争による資源インフレで、アメリカは激しいインフレになり、政策金利が長期金利を上回る異常事態になっているが、日本はよくも悪くも何も起こらない。インフレ率は4%程度で頭打ちだ。
それは逆にいうと、財政バラマキをやっても大した効果はないということだ。日本経済のマクロ経済感度ともいうべきものが弱っており、黒田日銀があれほどめちゃくちゃの量的緩和をやっても、インフレにならなかった。
その原因は、国債が民間投資をクラウディングアウトしているためではないか。普通のクラウディングアウトは、財政赤字で金利が上がって民間投資を締め出す現象だが、日本では政府が過剰に信用されているため国債が魅力的になり、銀行が民間に融資しないでゼロ金利の国債を買っている。これがシムズのいうハイパーリカーディアンな状態である。
続きは9月11日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
これはある意味では正しい。コロナのバラマキとウクライナ戦争による資源インフレで、アメリカは激しいインフレになり、政策金利が長期金利を上回る異常事態になっているが、日本はよくも悪くも何も起こらない。インフレ率は4%程度で頭打ちだ。
それは逆にいうと、財政バラマキをやっても大した効果はないということだ。日本経済のマクロ経済感度ともいうべきものが弱っており、黒田日銀があれほどめちゃくちゃの量的緩和をやっても、インフレにならなかった。
その原因は、国債が民間投資をクラウディングアウトしているためではないか。普通のクラウディングアウトは、財政赤字で金利が上がって民間投資を締め出す現象だが、日本では政府が過剰に信用されているため国債が魅力的になり、銀行が民間に融資しないでゼロ金利の国債を買っている。これがシムズのいうハイパーリカーディアンな状態である。
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