6月の消費者物価上昇率(前年比)は、コアCPIが3.3%、コアコアが4.2%で、今年になってほぼ同じだ。物価はもっぱら日銀の政策との関連で語られるが、今回のインフレはコロナ対策のバラマキと、その後のウクライナ戦争後の資源価格上昇によるもので、日銀にはコントロールできない。

日本経済新聞より
ただ日銀がYCCを続けて予想インフレ率を上げることはできる。おかげで日本のインフレ率はアメリカをやや上回ったが、このまま発散するとみる人はいない。インフレ率は図のように世界的に鎮静の局面に入ったからだ。
日本の物価が上がらない原因はいろいろあるが、最大の原因は賃金が上がらないことだ。それは労働生産性が上がらないからだとよくいわれるが、次の図のように労働生産性は低いが、上昇率はそれほど低くない。

OECD諸国の労働生産性(ドル)小川製作所
問題は単位労働コスト(ULC)である。これは名目賃金/労働生産性を示す指標で、マクロ経済的には名目雇用者報酬/実質GDPで計算する。これは次の図のように大幅に下がっており、これが名目賃金の低下にほぼ見合う。

つまり労働生産性が上がらないから賃金が上がらないのではなく、労働生産性が上がったのに賃金が上がらないことが、2000年代以降のデフレなのだ。これは結果なので、日銀がマネーをばらまいて結果を変えても、原因を変えることはできない。ではその原因は何か。
続きは7月24日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)

日本経済新聞より
ただ日銀がYCCを続けて予想インフレ率を上げることはできる。おかげで日本のインフレ率はアメリカをやや上回ったが、このまま発散するとみる人はいない。インフレ率は図のように世界的に鎮静の局面に入ったからだ。
日本の物価が上がらない原因はいろいろあるが、最大の原因は賃金が上がらないことだ。それは労働生産性が上がらないからだとよくいわれるが、次の図のように労働生産性は低いが、上昇率はそれほど低くない。

OECD諸国の労働生産性(ドル)小川製作所
問題は単位労働コスト(ULC)である。これは名目賃金/労働生産性を示す指標で、マクロ経済的には名目雇用者報酬/実質GDPで計算する。これは次の図のように大幅に下がっており、これが名目賃金の低下にほぼ見合う。

つまり労働生産性が上がらないから賃金が上がらないのではなく、労働生産性が上がったのに賃金が上がらないことが、2000年代以降のデフレなのだ。これは結果なので、日銀がマネーをばらまいて結果を変えても、原因を変えることはできない。ではその原因は何か。
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