日銀の植田総裁は、黒田総裁の路線を継承して手堅いスタートを切った。ゼロ金利では日銀の仕事は金利調節ではなく統合政府の債務管理になったので、短期的な需給ギャップとは異なる長期的な観点から財政を見直してはどうだろうか。
経済学にクラウディングアウト(締め出し)という概念がある。これはマネタリストがケインズ理論を批判して「財政赤字が民間投資を締め出す」という意味で使ったもので、財政赤字が増えると金利が上がって民間投資が減るという意味だ。これはゼロ金利では意味のない概念になったと思われていたが、超長期で考えると政府投資と民間のトレードオフは成り立つ。
これは短期的な需給ギャップではなく、投資家の予想が変わるからだ。直感的にいうと、緊縮財政で政府が過剰に信用されるハイパーリカーディアンな状態になり、ゼロリスクの国債が民間投資より魅力的になって、民間投資をグラウドアウトするのだ。これを利用して、緊縮財政をやめれば「政府の借金」を減らすことができる。
続きは5月1日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
経済学にクラウディングアウト(締め出し)という概念がある。これはマネタリストがケインズ理論を批判して「財政赤字が民間投資を締め出す」という意味で使ったもので、財政赤字が増えると金利が上がって民間投資が減るという意味だ。これはゼロ金利では意味のない概念になったと思われていたが、超長期で考えると政府投資と民間のトレードオフは成り立つ。
これは短期的な需給ギャップではなく、投資家の予想が変わるからだ。直感的にいうと、緊縮財政で政府が過剰に信用されるハイパーリカーディアンな状態になり、ゼロリスクの国債が民間投資より魅力的になって、民間投資をグラウドアウトするのだ。これを利用して、緊縮財政をやめれば「政府の借金」を減らすことができる。
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