「リベラル市民として、せめて暗殺が成功してよかった」という島田雅彦氏の発言は、リベラルという言葉が本来の意味を失ったことをよく示している。
リベラリズムの根本原則は寛容である。ジョン・ロックの『寛容についての手紙』は、内乱の続いた17世紀のイギリスで出てきた政教分離の原理だった。それは宗教戦争を停戦するための妥協だったので、宗派を問わず支持される最大公約数だった。
逆にいうとそれだけの弱い原則で、民主制を必ずしも意味しない。もう一人のリベラリズムの元祖ホッブズは、君主制の支持者だった。人々の多様性を許すだけでは秩序は維持できないので、リベラルな民主制は矛盾を含んでいる。
フクヤマは冷戦の終了直後に書いた『歴史の終わり』でリベラルな民主制の勝利を宣言したが、『政治の起源』ではそれを撤回した。むしろいま大きな脅威になっているのは、中国のような非リベラル国家の台頭である。
続きは4月24日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
リベラリズムの根本原則は寛容である。ジョン・ロックの『寛容についての手紙』は、内乱の続いた17世紀のイギリスで出てきた政教分離の原理だった。それは宗教戦争を停戦するための妥協だったので、宗派を問わず支持される最大公約数だった。
逆にいうとそれだけの弱い原則で、民主制を必ずしも意味しない。もう一人のリベラリズムの元祖ホッブズは、君主制の支持者だった。人々の多様性を許すだけでは秩序は維持できないので、リベラルな民主制は矛盾を含んでいる。
フクヤマは冷戦の終了直後に書いた『歴史の終わり』でリベラルな民主制の勝利を宣言したが、『政治の起源』ではそれを撤回した。むしろいま大きな脅威になっているのは、中国のような非リベラル国家の台頭である。
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