坂本龍一氏が死去した。彼の音楽についての評価はともかく、その政治的発言は陳腐な左翼の典型だった。その代表がこれだ。

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これはたぶんクラウゼヴィッツの有名な言葉を覚えまちがえたのだろう。少なくともヨーロッパにはそんな言葉はないが、これは日本人の戦争観をよく示している。きょうもこんな「有識者の提言」が行われた。日本人にとって戦争とは、喧嘩の調停の失敗なのだ。


古来、日本の紛争解決は当事者やその家族の報復による自力救済だったが、これでは際限なく復讐が続いてしまう。その解決法は二つしかない。一つは一方の当事者が他方の家族まで皆殺しにすること、もう一つは復讐を禁止することである。

中世まで多かったのは前者で、たとえば源頼朝は義経を討伐したとき、彼をかくまった奥州の藤原氏まで皆殺しにした。だがこの方式では、絶対君主が日本全国を支配するまで戦争が終わらない。そこで喧嘩を調停するしくみがいろいろ試みられた。

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