欧州連合(EU)のエネルギー担当相理事会が28日に開かれ、2035年以降も内燃機関の新車販売を認める法案を決定した。昨年EU委員会は内燃機関を35年に禁止する方針を決めたが、フォルクスワーゲン(VW)やメルセデスなど自動車大手を抱えるドイツが反対していた。
今回の理事会決定はその妥協で、合成燃料を使う内燃機関車に限って新車販売を認める。合成燃料(e-fuel)はCO2と水素を合成してつくる液体燃料で、現在のエンジンで走ることができる。投入するCO2と排出するCO2の量が同じなのでカーボンニュートラルだが、コストはリッター当たり700円以上で、今のところ実用にならない。
これは逆にいうと、ガソリンでも合成燃料でもエンジンは同じということだ。たとえば2034年12月にEU議会で理事会決定をくつがえし、「合成燃料はバカ高いのでガソリンでもいい」という決定が出ても、自動車メーカーは今と同じエンジンをつくればいい。おそらく主流はハイブリッド(PHVを含む)になるだろう。
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