放送法をめぐる文書で明らかになったのは、総務省がいかに民放に気を使っているかだ。これについて「独立行政委員会で規制すべきだ」とか「日本版FCCが必要だ」という意見がよくあるが、もう周回遅れである。
OECD諸国の中で、通信・放送規制の独立行政委員会がないのは日本だけである。1952年までは電波監理委員会があったが、占領統治の終了とともに郵政省が吸収した。これを復活しようという話は昔からあり、1996年の行政改革会議の中間報告では、郵政省の規制部門を通信放送委員会に分割し、現業部門を郵政公社、産業振興部門を「産業省」に分割する案が発表された。
行革会議の中間答申
これに対して郵政省は逓信族議員を使って巻き返し、その結果、郵政省が丸ごと自治省・総務庁と合併する「総務省」という意味不明の官庁ができた。自治省と郵政省は業務にまったく共通点がないため、庁舎のフロアも別々で人事交流もほとんどない。それが今回のような旧自治省と旧郵政省の縦割り官庁の中の縦割りを生んでいる。
独立行政委員会ができたのは、放送コンテンツを政府が規制することが検閲にあたるためだったが、今では放送コンテンツを規制する法律が、OECD諸国にはほとんどない。BS・CS含めて100チャンネル以上のチャンネルができた現在、すべてのチャンネルに政治的公平を求める意味はないからだ。新聞や雑誌を規制しないのと同じである。
続きは3月27日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
OECD諸国の中で、通信・放送規制の独立行政委員会がないのは日本だけである。1952年までは電波監理委員会があったが、占領統治の終了とともに郵政省が吸収した。これを復活しようという話は昔からあり、1996年の行政改革会議の中間報告では、郵政省の規制部門を通信放送委員会に分割し、現業部門を郵政公社、産業振興部門を「産業省」に分割する案が発表された。

行革会議の中間答申
これに対して郵政省は逓信族議員を使って巻き返し、その結果、郵政省が丸ごと自治省・総務庁と合併する「総務省」という意味不明の官庁ができた。自治省と郵政省は業務にまったく共通点がないため、庁舎のフロアも別々で人事交流もほとんどない。それが今回のような旧自治省と旧郵政省の縦割り官庁の中の縦割りを生んでいる。
独立行政委員会ができたのは、放送コンテンツを政府が規制することが検閲にあたるためだったが、今では放送コンテンツを規制する法律が、OECD諸国にはほとんどない。BS・CS含めて100チャンネル以上のチャンネルができた現在、すべてのチャンネルに政治的公平を求める意味はないからだ。新聞や雑誌を規制しないのと同じである。
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