ベーシック・インカム
また一部でベーシックインカムが話題になっているので、前に原著で紹介した本の訳書を紹介しよう。BIは経済学ではおなじみだが、著者は政治学者で、所得というより自由時間の問題と考えている。

最初に掲げられている「カネをもつことは自由の手段だが、それを稼ぐのは奴隷になることだ」というルソーの言葉のように、所得を「自由」の尺度、労働を「不自由」の尺度と考えると、人生は自由時間の最適化と考えることもできる。

たとえば8時間働いて8時間休息するより、生活に必要なものが4時間でできるなら、12時間休息したほうが自由時間は増える。歴史上の多くの社会では、人々はこのように労働時間を配分してきた。石器時代の人々が苛酷な長時間労働をしたというのは神話で、人々の平均労働時間は3~4時間だったと推定される。

ところが資本主義社会で人々は、自由時間を最適化する水準を超えて資本を蓄積するようになった。その結果、何億ドル資産があっても使い切れず、ビル・ゲイツは全財産の95%を財団に使うと表明しているが、それなら最初から5%働けばよかったのだ。

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