年末年始のテレビ番組を見なくなって久しいが、昔あれをつくっていたころは、テレビがいかにむなしい仕事か痛感したものだ。「ゆく年くる年」は3分の中継のために1ヶ月ぐらい準備し、30人ぐらいのスタッフが徹夜する。毎年「今年でやめよう」といいながら、いまだに続いている。

こんなオールドメディアは滅び、ネットメディアの時代になるという話は20年ぐらい前からあるが、テレビはしぶとく生き残っている。図のようにテレビの視聴時間は毎日2時間23分で、16年間で30分ぐらいしか減っていないが、新聞を読む時間は32分から13分になった。学生は、紙の新聞はまったく読まない。

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テレビに代わってメインのメディアになったのはスマホだが、それも今の主役は文字ではなく、YouTubeやInstagramのような映像である。これは脳の負荷が小さく、思考を必要としない。20世紀にテレビが新聞に置き換わったのと同じ愚民化が起こっているのだ。

テレビは戦後、GHQが日本に導入したものだ。当時からテレビが人間を「白痴化」するという批判があったが、それがGHQの目的だった。1953年、NHKより先に放送開始した日本テレビの社長、正力松太郎は、暗号名「ポダム」というCIAのエージェントだった。テレビは日本人にアメリカ的生活様式を刷り込み、愚民化する装置だったのだ。

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