政府債務
予算編成も大詰めを迎えているが、今年は防衛費が最大の焦点だ。財務省が法人税増税の方向を出そうとしているのに対して、自民党の防衛族が「増税は国力を弱める」と反対しているが、これは平和ボケである。戦争が始まって、借金できなくなったらどうするのか?

政府支出を税で調達するか国債で調達するかは、平時では大した問題ではない。問題は、金融危機や大災害のような危機のとき、財源が調達できるかということだ。窮極の危機が戦争である。自衛隊が出動するのは戦争が始まったときだから、平時の前提で財源を考えるべきではない。

ウクライナ戦争で破壊された建物やインフラなどの被害は、国連の調べによるとGDPの30%、人的被害などを含めると50%近いという。イギリスは100年間の戦費で、GDPの200%以上を消耗した。第2次大戦で日本は戦時国債で戦費を調達できなくなり、物量において圧倒的な米軍に負けた。

台湾有事で自衛隊が出動すると、その損害は震災よりはるかに大きく、戦費を他国から調達することも困難だ。さらに戦争が拡大し、長期化したら、戦費が借金で維持できるのか。金利が上がって財源が調達できなくなったら、戦争をやめるのか?

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