善と悪のパラドックス
ウクライナでは核戦争の危機が迫っているというのに、日本の国会は統一教会ばかり議論している。この原因は、安倍元首相のような強いリーダーをきらう感情が日本人に広く残っていることだろう。マスコミも彼が暗殺された直後にその悪口をいうのは気が引けるので、統一教会というダミーを攻撃しているのだ。

安倍氏の政策は世界標準ではリベラルだったが、朝日新聞はそれを「安倍一強」と呼んで反安倍キャンペーンを張り、アベガーは彼をヒトラーにたとえて排除しようとした。このように強い指導者をきらう日本人の平等主義は、それほど特殊な行動ではない。

未開社会には、共同体のメンバーがリーダーを殺す王殺しの風習が広くみられる。それは暴君を殺すとは限らず、ある王の政権が長く続くと、不満分子が集まって王を拘束し、処刑する。その原因はよくわからなかったが、本書はそれが家畜化によるものだという。

人類が家畜化して友好的になると、集団の結束は強くなって戦争に有利だが、集団の中で凶暴なオスが出てくると、他の個体を攻撃し、食物やメスを奪う。これを放置すると共同体が崩壊してしまうので、それを防止するのが王殺しである。アベガーには、弱者が集まって強者を殺す家畜の文化遺伝子が生きているのだ。

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