ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界 (幻冬舎新書)
ウクライナ戦争は、19世紀的な戦争である。それはサイバー戦争でもハイブリッド戦争でもなく、戦車は前代の遺物でもない。少なくともプーチンのやっているのは帝国主義時代の領土拡張戦争であり、その中心は第2次大戦と同じ陸軍である。

帝政は第1次大戦で姿を消したと思われたが、今や独裁国家という新たな姿をあらわし始めている。それに対する民主国家は、もう人類の多数派ではない。ウクライナ侵略に対する国連のロシア非難決議に反対もしくは棄権した国の人口は、賛成した国より多かった

これは冷戦後のグローバリゼーションの逆転だが、その動向を決めるのはグローバルサウスと呼ばれる発展途上国だ。中国はすでにアジア・アフリカの多くの国に融資して借金漬けにし、ロシアも東欧や中東に支配を拡大している。

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冷戦時代も今も、中国とロシアのユーラシア国家という本質は変わっていない。その民主国家との関係は、地政学でいうハートランドリムランドの関係に似ている。ハートランドを制する者が世界を制するという地政学の理論は、第2次大戦とその後の歴史で否定されたが、21世紀に新たな意味を持ち始めたようにみえる。

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