川口マーン恵美さんにドイツの事情を聞いて感じたのは、日本とドイツの戦後はまったく違うようで、実は似ているということだった。よく「ドイツは戦争犯罪を反省しているが、日本は…」といわれるが、ドイツも日本も戦争を反省しすぎて、いつまでもそのトラウマから脱却できない。

ドイツは敗戦で国家が消滅し、東西に分割されて4ヶ国が管理したが、日本は沖縄以外は丸ごと残った。これは幸運で、日本の降伏があと半年遅れたら、分割された可能性が高い。日本を4分割する案が、連合国では検討されていた。

日本国憲法は日本政府の提案した明治憲法の改正案をマッカーサーが一蹴し、わずか1週間でまったく違う憲法を起草したが、ドイツは東西対立の中で憲法が制定できず、西ドイツはようやく1949年に「基本法」を制定したが、再軍備はできなかった。

基本法は統一されるまでの暫定的な法律という位置づけだったので、その後60回も改正された。これはゼロからつくったので、ドイツ人が自分でつくったという意識があったが、日本は自分で憲法を制定できず、いつまでも「押しつけ憲法」だというルサンチマンが残った。

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