コロナの第4波は、これまでとは違う様相をみせている。大阪府の死者は毎週30人(100万人あたり)と、インドの21人より多く、ピークアウトする様子がない。その原因は不明だが、死者が異常に多いのは、医療崩壊に近い状況になっていると思われる。

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新型コロナ死者(7日間・100万人あたり)札幌医科大学

人口あたり病床数が世界一の日本で、医療が逼迫する原因は明白である。病院の8割が民間病院で、医療法では行政が病院に患者受け入れを指示できないからだ。おかげでコロナ患者の8割以上を公立・公的病院が受け入れ、民間病院は18%しか受け入れていない。今年の感染症法改正で、自治体が民間病院にも患者受け入れを「勧告」できるようになったが、罰則はない。

これには医師会の強力な政治力という特殊要因もあるが、日本の行政指導はもともと「お願い」ベースで、法的な強制力がないのが特徴である。それは官が強いからではなく、民の自主性を尊重しているからでもない。役所は特殊法人や業界団体を通じて大企業を監視し、親会社が子会社を監視する卸し売りモニタリングで行政コストを節約しているからだ。

これは平時には効率的である。日本の公務員が人口比で先進国最少なのは、こういうイエ社会の大家族システムを利用しているからだ。しかしこれは平時に最適化したコンセンサスベースのシステムなので、非常事態に資源を総動員できない。大家族の「家長」である業界団体が抵抗すると、役所は何もできないのだ。

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