マーク・ラムザイヤーが国家基本問題研究所の「日本研究賞」を受賞したことで、本書がまた話題になっているが、この受賞を唯一報道している産経新聞が「「慰安婦=性奴隷」学術的に否定、バッシングにも負けず」と書いているのは誤解である。性奴隷かどうかは争点ではない。
ラムザイヤーを批判したゴードン=エッカートが「陸軍が慰安婦を徴発(強制連行)した」というのは事実無根であり、それを示す文書は一つもない。これはゴードンらも認め、元慰安婦と自称する女性の「証言」だけを根拠にしている。その信憑性は疑わしく、このコアの部分についてはラムザイヤーは正しい。
問題は、それが自発的な契約だったというラムザイヤーの論文(本書の第1論文)にも、それを示す文書がないことだ。この点については双方が同意しているので、慰安婦が強制連行されたというゴードンの説も、自発的な契約だったというラムザイヤーの説も同様に疑わしいというのが論理的な結論である。
だが問題はそこではない。最近は(たとえば)NYタイムズは人身売買は奴隷だという定義によって慰安婦を性奴隷としている。この定義によれば朝鮮半島の慰安婦のかなりの部分が、親の借金の担保として娘が民間業者に身売り(年季奉公)する人身売買だった。これは秦郁彦氏も指摘している。
続きは7月15日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
ラムザイヤーを批判したゴードン=エッカートが「陸軍が慰安婦を徴発(強制連行)した」というのは事実無根であり、それを示す文書は一つもない。これはゴードンらも認め、元慰安婦と自称する女性の「証言」だけを根拠にしている。その信憑性は疑わしく、このコアの部分についてはラムザイヤーは正しい。
問題は、それが自発的な契約だったというラムザイヤーの論文(本書の第1論文)にも、それを示す文書がないことだ。この点については双方が同意しているので、慰安婦が強制連行されたというゴードンの説も、自発的な契約だったというラムザイヤーの説も同様に疑わしいというのが論理的な結論である。
だが問題はそこではない。最近は(たとえば)NYタイムズは人身売買は奴隷だという定義によって慰安婦を性奴隷としている。この定義によれば朝鮮半島の慰安婦のかなりの部分が、親の借金の担保として娘が民間業者に身売り(年季奉公)する人身売買だった。これは秦郁彦氏も指摘している。
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