菅政権の目玉政策は「携帯電話料金の4割値下げ」だが、これはいささか奇妙な話だ。今でも格安SIM(MVNO)の料金は、データ通信なら普通の携帯キャリア(MNO)の半分以下なので、無理に値下げさせなくても、MVNOに乗り換えればいい。
このMVNOの料金は国際的にみても安く、20社以上あって競争も激しい。不思議なのは、MVNOのシェアが合計12%と低いことだ。これは大手MVNOの親会社がMNOで、競合を恐れて積極的に宣伝しないためと思われる。むしろMNOが4割値下げすると価格差が小さくなり、MVNOの経営が苦しくなるおそれが強い。

価格コムより
本書はこの問題を中心に通信業界の現状を書いたものだが、最後に私の規制改革推進会議の資料を5ページにわたって引用し、「テレビ局の占有しているプラチナバンドを電波オークションで開放すれば、競争が促進されてスマホ料金は安くなる」と結論している。
これが技術的にできることは総務省も認めたが、関係者が沈黙しているのは、テレビ局がその政治力で電波の浪費を隠しているからだ。キー局は実はネット配信に進出したいのだが、県域免許でローカルな電波利権を守って経営している地方民放がネット配信を許さないのだ。
その電波利権の頂点にいるのが読売新聞の渡辺恒雄主筆だが、彼の知識は20年古い。今のように帯域とコーデック(MPEG-2)がハードウェアで一体の放送では、4Kとか8Kとか新しい技術が出てきても伝送方式を変えられない。電波は帯域免許にして用途は自由にし、IPで伝送すれば、その上のレイヤーのコーデックはソフトウェアで変えられる。日本のテレビ局もNetflixになれるのだ。
この点は日本の地デジ(OFDM)は欧米のデジタル放送よりすぐれた技術で、ほとんどの変更はソフトウェアでできる。技術的には今のバラバラの帯域のままでも端末の周波数を動的に変えれば通信に使えるが、これは干渉のリスクがある(とテレビ局が主張する)ので、区画整理して通信キャリアに免許を割り当てたほうがいい。
今のまま通信料金を4割値下げすると、困るのはMVNOである。総務省はMNOに接続料を下げろと指導しているようだが、国際的にみると日本の接続料は安い。結局は新しい帯域を区画整理してオークションで開放し、設備ベースの競争を促進するしかない。これは技術的には自明で、帯域もあいている。あとは首相の指導力だけだ。
このMVNOの料金は国際的にみても安く、20社以上あって競争も激しい。不思議なのは、MVNOのシェアが合計12%と低いことだ。これは大手MVNOの親会社がMNOで、競合を恐れて積極的に宣伝しないためと思われる。むしろMNOが4割値下げすると価格差が小さくなり、MVNOの経営が苦しくなるおそれが強い。

価格コムより
本書はこの問題を中心に通信業界の現状を書いたものだが、最後に私の規制改革推進会議の資料を5ページにわたって引用し、「テレビ局の占有しているプラチナバンドを電波オークションで開放すれば、競争が促進されてスマホ料金は安くなる」と結論している。
これが技術的にできることは総務省も認めたが、関係者が沈黙しているのは、テレビ局がその政治力で電波の浪費を隠しているからだ。キー局は実はネット配信に進出したいのだが、県域免許でローカルな電波利権を守って経営している地方民放がネット配信を許さないのだ。
その電波利権の頂点にいるのが読売新聞の渡辺恒雄主筆だが、彼の知識は20年古い。今のように帯域とコーデック(MPEG-2)がハードウェアで一体の放送では、4Kとか8Kとか新しい技術が出てきても伝送方式を変えられない。電波は帯域免許にして用途は自由にし、IPで伝送すれば、その上のレイヤーのコーデックはソフトウェアで変えられる。日本のテレビ局もNetflixになれるのだ。
この点は日本の地デジ(OFDM)は欧米のデジタル放送よりすぐれた技術で、ほとんどの変更はソフトウェアでできる。技術的には今のバラバラの帯域のままでも端末の周波数を動的に変えれば通信に使えるが、これは干渉のリスクがある(とテレビ局が主張する)ので、区画整理して通信キャリアに免許を割り当てたほうがいい。
今のまま通信料金を4割値下げすると、困るのはMVNOである。総務省はMNOに接続料を下げろと指導しているようだが、国際的にみると日本の接続料は安い。結局は新しい帯域を区画整理してオークションで開放し、設備ベースの競争を促進するしかない。これは技術的には自明で、帯域もあいている。あとは首相の指導力だけだ。