専門家会議の新型コロナについての状況分析と提言が発表された。特に注目されるのは、実効再生産数Rが全国で1以下になったと推定していることだ。Rは1人の感染者が何人に感染させるかを示す値で、これが1以下になったということは次のように感染者が減っていることを示す。

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右端で新規感染者数がゼロになったように見えるのは感染日が報告日より2週間前になるためだが、3月5日までのデータを見ても感染者数が大きく減り、Rは1以下になっている。つまり感染がそれ以上拡大しない集団免疫がすでに実現したことになる。

問題はそれが今後も維持できるのかどうかだが、専門家会議は慎重な見方をとっている。ヨーロッパでは、2月下旬にイタリアでオーバーシュート(感染爆発)が起こり、3月上旬にフランス・ドイツ・スペインでも起こったが、それより早くから感染の始まった日本の感染速度は小さい。

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これをどう見るかについては専門家会議でも意見がわかれたようだが、日本でも感染に気づかないスプレッダーが都市部で集まると、オーバーシュートが起こるかもしれないと警告している。もし日本の基本再生産数R0がヨーロッパ並みの2.5だとすると、集団免疫が成立するのは人口の60%が感染したときだから、潜在的な感染が広がっている可能性もある。

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