
国際会議に何の専門的知識もない子供が出てくるのは異常だが、グレタは与えられたシナリオを演じる「天才子役」にすぎない。そのシナリオを書いたのはスウェーデンの環境活動家だと思われるが、それだけでは国連や各国政府を説得できない。彼女を利用しているのは、ヨーロッパの社民勢力である。
気候変動は、世界の左翼に共通の目標になった。「地球環境を守れ」という誰も反対しないスローガンは、幅広い勢力を結集するには便利だ。気候変動の問題に決着がつき、それを世界に広めることだけが目的なら、将来世代を代表する子役を使うキャスティングは正しい。
温暖化の防止がすべての経済問題に優先するなら、解決策は簡単である。経済成長を止めればいいのだ。2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにするには、ニュージーランド政府の方針のようにガソリン車を廃止し、火力発電を廃止すればいい。それによってGDPは20%以上さがるが、グレタの世代は幸福になるのだろうか。
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