このごろ日本でMMT(現代貨幣理論)という理論が流行しています。これは50年ぐらい前からある話で、現代的でも貨幣理論でもないのですが、アベノミクスが手詰まりになった日本で今ごろ話題になっています。

MMTは基本的にはケインズ理論の焼き直しで、目新しい点はありませんが、おもしろいのは内生的貨幣供給説です。これはお金の流通量は資金需要で決まるので、預金の制約を受けないという説です。

たとえばA社がB銀行に口座をもっているとしましょう。B銀行がA社に1億円貸し出すとき、1億円の札束を持って行くわけではありません。B銀行のA社の口座に、万年筆で「1億円」と書いたら終わりです。

これを万年筆マネーといいます。現代では「キーボードマネー」といったほうがいいと思いますが、ここでは銀行貸し出しは、預金がなくてもできるフリーランチのように見えます。

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