米軍のイラク爆撃で、中東情勢が不安定になってきた。ホルムズ海峡が封鎖されると原油供給の80%が止まるが、日本のエネルギー供給はいまだにほとんどの原発が動かない「片肺」状態で大丈夫なのだろうか。

エネルギーは「正義」の問題ではない

今週からアゴラ経済塾「環境・エネルギー問題を経済的に考える」が始まる。わざわざ「経済的に」と断ったのは、この種の問題は「生命」や「正義」で論じられることが多いからだ。

かつて水俣病の時代には環境問題は生命の問題であり、チェルノブイリ事故のころ原子力は生命の問題だったが、今はそうではない。地球温暖化は海面が何cm上がるかという問題であり、福島第一原発事故では放射能で1人の生命も失われなかった。

グレタ・トゥーンベリのように「温室効果ガスを減らすことが至上命令で、どんな貧乏になってもいい」という子供もいるが、普通の大人はそうではない。それは環境影響と経済性のトレードオフという経済問題なのだ。

続きはアゴラで。