立憲民主党が、アメリカで話題になっている民主党のオカシオコルテス議員を取り上げている。彼女の支持するMMT(Modern Monetary Theory)は、先日の記事で紹介したように「財政赤字は問題ではない」という理論だ。彼女はサンダースを継承する「民主社会主義者」で、MMTはトンデモではない。【全訳】米国史上最年少の女性下院議員がキング牧師ばりの演説
— 立憲民主党 (@CDP2017) January 27, 2019
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トランプ大統領の大減税でアメリカの財政赤字は激増したが、実質金利はゼロのままだ。この状況で財政破綻やハイパーインフレを心配するのはナンセンスで、中央銀行が紙幣を印刷して国債を買えば、格差是正の財源はいくらでも出てくる――というのが彼女の主張で、社会主義としてはそれなりに筋が通っている。
MMTは20年ぐらい前からあるが、注目されるようになったのは世界的にゼロ金利の続く2010年代である。日銀がいくら国債を爆買いしても金利が上がらない日本では、財政ファイナンスはフリーランチになるので、アメリカよりもMMTが向いている。MMTは、ゼロ金利が続く限り正しいからだ。
もちろんゼロ金利が永遠に続く保証はないが、終わる兆しも見えない。サマーズもグローバルな長期停滞が構造的な需要不足によるものだと論じ、MMTを部分的に認めている。立憲民主党がMMTを掲げて「財政赤字なんか気にしないで弱者救済のバラマキをやる」と主張したら、おもしろいのではないか。
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