株価でみるとアメリカの戦後最大のバブルはITバブルだったが、その後遺症は3年ぐらいで終わった。それに対してリーマンショックの後遺症は今も世界的に残り、金余りの中で長期停滞が続いている。その違いは、前者が株式市場で起こったのに対して、後者が債券市場(住宅ローン)で起こったことだ。
株価は値下がりしたらあきらめるが、債務不履行になると債務者は破産して資産が差し押さえられ、企業は倒産し、銀行は債務超過になる。銀行預金は元本を保証しているので取り付けが起こり、社会全体に危機が波及する。
金融危機の本質は取り付けなので、資産価格の崩壊は防げないが、金融危機は(理論的には)防げる。取り付けの原因は決済機能をもつ銀行が企業に融資してリスクを取ることにあるので、コクランの提案するように、銀行を決済専門のナローバンクにし、リスク資産を扱う投資ファンドと分割すればいいのだ。
「信用創造をなくしたら、リスクを取るビジネスができなくなる」というのは逆である。銀行が公共インフラである決済機能をもっているため、十分リスクが取れないのだ。預金準備率を100%にし、決済機能を金融仲介機能と分離すると、ネット企業のように誰でも金融業に参入できるようになり、GDPは10%上がる、というのがIMFの分析である。
金融危機を防ぐもう一つの対策は、法人税のバイアスをなくすことだ。法人税は企業の配当前利益にかかるが、支払い利息は利益から控除できるので、企業には負債で資金を調達するバイアスがある。これも(銀行業界の反対で)政治的には不可能だが、自社株買いは配当と同じ効果があって税制上のハンディキャップがない。
安倍政権の経済政策は、バラマキ財政に回帰している。これは日銀のリフレ政策が失敗した結果、いくら財政赤字が拡大してもインフレにならないことを発見したためだろう。安倍政権はインフレが起こるまで財政を拡大し、ことによると来年の消費増税も再々延期するかもしれない。
株価は値下がりしたらあきらめるが、債務不履行になると債務者は破産して資産が差し押さえられ、企業は倒産し、銀行は債務超過になる。銀行預金は元本を保証しているので取り付けが起こり、社会全体に危機が波及する。
金融危機の本質は取り付けなので、資産価格の崩壊は防げないが、金融危機は(理論的には)防げる。取り付けの原因は決済機能をもつ銀行が企業に融資してリスクを取ることにあるので、コクランの提案するように、銀行を決済専門のナローバンクにし、リスク資産を扱う投資ファンドと分割すればいいのだ。
法定準備率を100%にして投資ファンドと分離する
これは1930年代からフィッシャーやフリードマンが唱え、シカゴプランとして知られているものだ。大恐慌で銀行の連鎖倒産が起こったことを教訓とし、法定準備率を100%にして信用創造を禁止するものだったが、銀行業界の反対で実現しなかった。「信用創造をなくしたら、リスクを取るビジネスができなくなる」というのは逆である。銀行が公共インフラである決済機能をもっているため、十分リスクが取れないのだ。預金準備率を100%にし、決済機能を金融仲介機能と分離すると、ネット企業のように誰でも金融業に参入できるようになり、GDPは10%上がる、というのがIMFの分析である。
金融危機を防ぐもう一つの対策は、法人税のバイアスをなくすことだ。法人税は企業の配当前利益にかかるが、支払い利息は利益から控除できるので、企業には負債で資金を調達するバイアスがある。これも(銀行業界の反対で)政治的には不可能だが、自社株買いは配当と同じ効果があって税制上のハンディキャップがない。
安倍政権の経済政策は、バラマキ財政に回帰している。これは日銀のリフレ政策が失敗した結果、いくら財政赤字が拡大してもインフレにならないことを発見したためだろう。安倍政権はインフレが起こるまで財政を拡大し、ことによると来年の消費増税も再々延期するかもしれない。


