最近Facebookの検閲がきびしくなって、「支那」という言葉を使うとアカウントが停止されるようだ。グーグル日本語でも候補に出てこない。これはマスコミでは昔から禁止だが、根拠のないタブーである。その語源は5世紀ごろインドで中国を「シナ」と呼んだもので、このもとは「秦」だといわれる。中国には「漢」や「唐」などの王朝を超える地名がなかったため、シナやチャイナという呼称がヨーロッパでも使われた(今も使われている)。
支那という漢字も中国で当てたものだが、これは他称なので、中国人は使わなかった。日本に輸入されたのは平安時代で、江戸時代に広く使われるようになった。どちらの国でも「中国」という言葉は、ほとんど使われなかった。まれに中国人がそう呼ぶときは「南蛮北狄」などに対する世界の中心という意味で、「わが国」の尊称だった。
その事情が複雑になったのは、明治以降である。「支那人」を差別する日本人がいたことは事実だが、それは「支那」が蔑称だったからではなく、他にあの大陸を表現する言葉がなかったからだ。しかし中国から日本に来た留学生は、彼らの知らない「支那」という言葉を差別語だと感じたようだ。1930年に中華民国政府は、「支那」という言葉を使った外交文書を受け取らないと日本政府に通告した。これがタブーの始まりだった。
続きは9月24日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。
支那という漢字も中国で当てたものだが、これは他称なので、中国人は使わなかった。日本に輸入されたのは平安時代で、江戸時代に広く使われるようになった。どちらの国でも「中国」という言葉は、ほとんど使われなかった。まれに中国人がそう呼ぶときは「南蛮北狄」などに対する世界の中心という意味で、「わが国」の尊称だった。
その事情が複雑になったのは、明治以降である。「支那人」を差別する日本人がいたことは事実だが、それは「支那」が蔑称だったからではなく、他にあの大陸を表現する言葉がなかったからだ。しかし中国から日本に来た留学生は、彼らの知らない「支那」という言葉を差別語だと感じたようだ。1930年に中華民国政府は、「支那」という言葉を使った外交文書を受け取らないと日本政府に通告した。これがタブーの始まりだった。
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