ヨーロッパは「原罪」をいつまで償うのか

イギリスのEU離脱をめぐる国民投票は来週に迫り、Economistなどのメディアを初め、保守党も労働党も反対を呼びかけているが、最近の世論調査では離脱派がややリードしている。残留する理由はわかるが、離脱派がこんなに多いのは日本人には不可解だ。

この問題の背景にあるのが、サイクス＝ピコ協定である。著者は「もっともよく知られた国際協定」と書いているが、たぶん日本人の半分以上が知らないだろう。これは今からちょうど100年前に、第1次大戦で崩壊したオスマン帝国をイギリスとフランスが分割した秘密協定で、「イスラム国」などはいまだにこれを「帝国主義者が中東を分断した原罪」と糾弾している。

そしてイギリス人がEUを離脱したい最大の理由がこれなのだ。EUはこの「原罪」を償うために多くの難民を各国に割り当て、責任のもっとも重いイギリスには昨年は36万人以上の難民が入国した。しかしこれは日本に「日韓併合の罪を償え」みたいなアナクロニズムではないだろうか？

議論の続きはオフレコ政経ゼミで。