Economistの記事は噴飯物だが、日本会議などが安倍政権に便乗してナショナリズムを振り回していることが誤解をまねいているのだろう。根本には「神道」をキリスト教をモデルにして考える誤解があると思われる。
神道は、キリスト教やイスラム教のような「宗教」ではない。Religionを宗教と訳したのは明治時代で、それ以前は仏教という言葉もなかった。神道という言葉はあったが、それは全国に20万以上あった神社の総称で、ほとんど何も意味していなかった。
その御神体は天照大神から道祖神までさまざまであり、もとは社殿さえなかったが、仏教が輸入されてから寺をまねて神社ができた。「神仏習合」というより、日本人の土着信仰が仏教と結びついて初めて宗教らしい形になったのだ。
これを天皇制のイデオロギーとして利用したのが、明治政府だった。国が伊勢神宮や靖国神社を保護し、全国の神社が国の管理のもとに置かれた。明治政府は一神教がないと国家が統合できないと考え、天皇家の中にあった仏教の要素を排除し、天皇制=国家神道という人工的な「国教」をつくったが、国民にはほとんど浸透しなかった。
続きは5月30日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。
神道は、キリスト教やイスラム教のような「宗教」ではない。Religionを宗教と訳したのは明治時代で、それ以前は仏教という言葉もなかった。神道という言葉はあったが、それは全国に20万以上あった神社の総称で、ほとんど何も意味していなかった。
その御神体は天照大神から道祖神までさまざまであり、もとは社殿さえなかったが、仏教が輸入されてから寺をまねて神社ができた。「神仏習合」というより、日本人の土着信仰が仏教と結びついて初めて宗教らしい形になったのだ。
これを天皇制のイデオロギーとして利用したのが、明治政府だった。国が伊勢神宮や靖国神社を保護し、全国の神社が国の管理のもとに置かれた。明治政府は一神教がないと国家が統合できないと考え、天皇家の中にあった仏教の要素を排除し、天皇制=国家神道という人工的な「国教」をつくったが、国民にはほとんど浸透しなかった。
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