5月18日に発表された「骨太の方針」は、今までにないものだった。これは小泉政権で始まり、8月の概算要求に先立って内閣が予算編成の骨格を示して財政の見通しを立てるものだ。去年までは曲がりなりにもプライマリーバランスを黒字化するシミュレーションがあったのだが、今年の骨太ではプライマリーバランスという言葉さえ消え、財政再建が骨抜きになってしまった。
その代わり書かれているのは、2021年までに「名目GDP600兆円」を実現すると称する夢のような「成長戦略」だ。その内容はご覧のように、「第4次産業革命」やらIoTやらビッグデータやらAIやら、ビジネス雑誌に毎週出ているバズワードがあふれているが、この手のターゲティング政策はこの40年、成功したことがない。
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