shunga去年、東京で開かれた日本初の本格的な春画展は、主催者が二転三転したあげく、私立美術館で開かれたが、その公式サイトにある春画をみても、率直にいってエロいとは思わない。

多くの絵は着衣のままで、局部が描かれているものもあるが、ごく自然に男女が戯れているという感じだ。橋本治氏が『性のタブーのない日本』でいうように、やまとことばにはFUCKに対応する言葉がない。しいていえば「逢う」だが、これは「合う」に通じ、「遊ぶ」も歌や踊りとともに性行為を意味した。

日本で「わいせつ」が罪とされたのは明治以降であり、売春が罪とされたのは戦後である。それまでは日本の小説や演劇の多くのテーマが恋愛=性愛であり、吉原は文化の中心だった。むしろセックスがこれほど厳格なタブーになったのはピューリタニズム特有のバイアスであり、世界的にみるとこっちが異常なのだ。

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