plt1507130017-p1国会の公聴会で、山口二郎氏が「60年安保で岸政権を退陣に追い込んだから、日本は戦争に巻き込まれずにすんだ」と主張した。彼の脳内では社会党の空想的平和主義が平和を守ったことになっているようだが、こういう「原理主義的護憲派」の主張どおりに政治が動いたらどうなったかという「もう一つの戦後史」を考えてみよう。

もし1960年に、山口氏の望んだように日米安保条約が破棄され、憲法違反の自衛隊が解散されていたら、そのころ北方領土の一部を占領していたソ連軍は北海道に上陸し、山口氏の勤務していた北大も占領下に置かれただろう。北海道は計画経済になり、ロシア語が公用語になるだろうが、それに抵抗しようとしても自衛隊はないのだから不可能だ。

かつて森嶋通夫氏がのべたように、徹底した平和主義とは、このように一方的に武装解除し、攻撃されたら無条件降伏する無抵抗主義のことなのだ。それは論理的には一貫しているが、山口氏以外の北海道民はそれに賛成するだろうか?

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