大東亜共栄圏とTPP ラジオ・カタヤマ【存亡篇】 (片山杜秀の本7)
本書はアゴラの夏の合宿のゲスト、片山杜秀さんのラジオ番組を本にしたものだが、その中に「保険と《君が代》」というエッセーがある。「君が代」は橋下徹氏などをめぐって騒ぎになるが、今ではよくも悪くも大した意味はない。

「君が代が戦争に利用された」などと批判する人がいるが、国歌はもともと戦争のためにできたものだ。フランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」の歌詞は、次のようなものだ。
行こう 祖国の子らよ 栄光の日が来た!
我らに向かって暴君の血まみれの旗が掲げられた
聞こえるか 戦場の残忍な敵兵の咆哮が?
奴らは我らの元に来て我らの子と妻の喉を掻き切る!
武器を取れ市民らよ 隊列を組め
進もう! 進もう!
汚れた血が我らの畑の畝を満たすまで!
フランス革命の前まで民衆は封建領主の下でバラバラに暮らしており、「フランス」という国家意識はなかった。しかし革命で「国民主権」ということになったので、民衆を一つにまとめて戦争に動員するイデオロギー装置として国歌がつくられた――というより革命の流血の中でおのずから生まれた。そして「福祉国家」も、戦争に国民を動員する制度としてつくられたのだ。

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