ロシアはヨーロッパなのだろうか。それは地理的には東欧に分類されるが、西欧との文化的な差は大きく、アジア的専制という点では中国に近い。シュミットも指摘するように、もともとヨーロッパというラウム(圏)が、近世以降の概念である。神聖ローマ帝国で保たれていた秩序が中世末期に混乱し、宗教戦争(内戦)が頻発したのに対して、ウェストファリア条約でヨーロッパ公法が成立し、その構成要素として国家ができた。ここでは国家は法人として主権をもち、戦争が合法化された。
それまでの内戦が復讐のような犯罪だったのに対して、国家間の戦争では何万人殺しても罪には問われない。しかし国家主権は「至高の権利」なので、ラウム全体の支配者は定義によって存在しない。EUを支えているのも、キリスト教共同体という価値観の共有である。
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