t-hitsuji2明けましておめでとうございます。今年も年賀状は出さないので、ブログでごあいさつ。

ギリシャが大統領の選出に失敗して年明けに議会選挙をやり直すことになりましたが、急進左派の候補が有力になり、ユーロは大きく下がっています。ギリシャの問題はユーロ危機の原点ですが、根本的な問題はゼロ金利と不況から抜け出せない状況です。
これは日本の「失われた20年」と同じで、低金利・低インフレは世界的な傾向です。その原因は労働人口の減少と投資機会の減少で、この背景には新興国との競争激化があります。日本のデフレは、大収斂による長期停滞のトップランナーだったわけです。

もう一つの共通点は、決められない政治です。ギリシャをユーロからたたき出せば、問題が片づくことはわかっているのですが、そうすると危機がポルトガルやスペインなどに波及するので、EU議会で合意できない。国家を中途半端に統合した幕藩体制に似たしくみには、主権者がいないからです。

與那覇潤さんと書いた『「日本史」の終わり』では「グローバル化する世界で日本は江戸時代から抜け出せない」と書きましたが、同じ病気が世界にも広がっているようです。江戸時代型システムで400年以上やってきた日本は、世界のモデルになるかもしれません。