チャーリー・ヘイデンが死去した。頭の中でずっと"Our Spanish Love Song"が鳴っている。これはもとはスペインの民謡らしく、パット・メセニーと共演した"Beyond The Missouri Sky"に収められている。マイナーの静かな曲で、ベッドで聞くとよく眠れる。
ヘイデンがデビューしたのは、オーネット・コールマンの"The Shape of Jazz to Come"で、22歳のときだ。初期は前衛的な演奏が多いが、オーネットやキース・ジャレットなどとのデュエット、"Closeness"は名盤である。

彼は左翼的な信念の持ち主のようで、南米の民族運動を支援するLiberation Music Orchestraというビッグ・バンドで前衛的なアルバムを何枚か出した。その中ではThe Ballad Of The Fallenが傑作だ。これはスペイン内戦をテーマにしたもので、"Our Spanish Love Song"も最初はこのバンドで演奏された。

Quartet Westというオーソドックスなバンドも結成したが、この中では"Haunted Heart"がすばらしい。映画のせりふなどを入れた企画ものだが、音楽としても完成度が高い。最近では、30年ぶりにキースと演奏したデュエット、"Jasmine"がよかった。つい先日もデュエット"Last Dance"を出したばかりだった。合掌。