ファーガソンにバカにされているクルーグマンの「語りおろし」本。実はタレントや有名人の本のほとんどは語りおろしだといわれるが、正直に書いてあるのは珍しい(もちろんリンクは張ってない)。
語りおろし本は読みやすいが、中身が薄いのが特徴だ。特に本書は、クルーグマンが日本経済の現状を知らない上に、聞き手(山形浩生)が経済学を理解してないので、とても読むに堪えない。中身は15年前の論文(邦訳には致命的な誤訳がある)の繰り返しだ。
クルーグマンは15年前と同じく「2%のインフレ期待が実現すれば日本経済はよくなる」というが、どうやってその「期待」を実現するのかという波及経路は何も語らない。現在の日本経済についての具体的データもなく、図が3枚しか出てこない。彼らは物価統計さえ見てないのだろう。実際には、コアコアCPIはマイナスで、予想インフレ率(BEI)も消費増税込みで1.3%(実質マイナス)。クルーグマンの「期待」は外れたのだ。
後半は話がもたなくなって、バラマキ財政を(自民党の公共事業の中身も知らないで)賞賛し、「10年後の世界経済」などの雑談が続く。正味179ページに聞き手の一知半解の「解説」を付け足して、なんとか本の体裁にしたという代物だ。PHP研究所も、こんないい加減な本を出していると、出版社としての矜持が問われますよ。
後半は話がもたなくなって、バラマキ財政を(自民党の公共事業の中身も知らないで)賞賛し、「10年後の世界経済」などの雑談が続く。正味179ページに聞き手の一知半解の「解説」を付け足して、なんとか本の体裁にしたという代物だ。PHP研究所も、こんないい加減な本を出していると、出版社としての矜持が問われますよ。